陝西省文物局はこのほど、中国北部の榆林地区で行われた秦直道(秦の始皇帝が2200年ほど前に作った世界最古の高速道路遺跡)の考古学的調査で、新たに長さ約13キロメートルの秦直道遺跡を発見したと明らかにしました。

この秦直道が通る地域の地形は、黄土の溝壑(こうがく)と峁梁(ぼうりょう)(中国の黄土高原に見られる独特な地形で谷やU字型の深い溝、山や丘のような細長い高地)が主体で、砂地も散在しています。

道路はおおむね直線的ですが、保存状態は良好とは言えず、確認された遺構には、明らかに直線状に分布する山を切り開いた峠道が9カ所、土を突き固めて築いた保護用ののり面が1カ所あり、さらに多数の踏み固められた路面、突き固められた路盤、谷を埋めるための土盛りがあります。自然の影響により、峠道の様相は大きく変わっており、人工的な痕跡は輪郭を除けばほとんど識別できません。

さらに、秦直道に隣接して分布する秦漢時代の小規模な遺跡1カ所が発見され、それらは駅舎や維持管理施設だとみられます。路面の一部には少量の典型的な秦漢時代の陶瓦の破片が散在しており、その時代の特徴が明確に示されています。

秦直道は、秦の始皇帝が紀元前212年に武将の蒙恬に命じて築かせた国家級の戦略交通路です。(提供/CRI)

編集部おすすめ