日本を旅行で訪れた台湾人女性がホテルの部屋に電気鍋を持ち込んで調理を行い、批判が殺到した騒動について、台湾メディアの自由時報は11日、「賠償を請求される恐れがある」との見方が出ていると報じた。
騒動の発端は今月9日、Instagram(インスタグラム)で10万人以上、Threads(スレッズ)で5万人近くのフォロワーを持つインフルエンサーの女性が、日本のホテルの室内で牛肉やトウモロコシなどの食材を持参した電気鍋に入れて煮込んでいる写真をSNSに投稿したことだった。
これについて、台湾の旅行作家「風塵萬里 旅人手札」氏は「初めて日本を訪れる旅行者は、現地のスーパーの生鮮食品が安くて品質も良いのを見て、ついホテルで火鍋を作りたくなるが、一般的なビジネスホテル、カプセルホテル、小規模ホテルの部屋は料理をするために設計されていないということに気付いていない」と指摘した。
そして、「日本の防火基準は非常に厳しく、すべての宿泊業者は関連規定を守らなければならない。もし客室に『炊事可』『キッチン設備付き』と明示されていない場合、その客室は室内での調理が認められておらず、建材なども高温や油、煙などに耐えられる仕様ではないということになる」と説明。「火災報知器との安全な距離も確保されていないため、室内で調理すると報知器が作動しやすい」とも言及した。
さらに、「客室内のコンセントは多くの場合、炊飯器、IHクッキングヒーターなどの調理器具向けに設計されておらず、高ワット数の器具を使用すると客室の電源が瞬時に落ち、電気設備に故障を引き起こす可能性がある」と説明。また、「日本のホテルの客室は通常広くなく、机も木製や化粧板貼りのものが多いため、(調理で)蒸気が噴出した場合、壁や机が湿気や熱で変形したり、結露が貯まったりする恐れがある」としたほか、「狭い空間で臭いの強い物を調理をすると、カーペットやカーテン、ベッドなどが臭いを吸ってしまい、清掃により多くの時間とコストがかかることになる。そのため、場合によっては『特別清掃費』などを請求されることもある」と解説した。
同氏は、「どうしても自炊したい場合は、事前にAirbnbタイプの宿泊先、簡易キッチン付きのビジネスホテルやアパートメントホテルなどを選ぶか、ホテルの共用キッチンを利用するといい。安全で便利な上、罰金を心配する必要もない」とアドバイスし、「旅行で大事なのはトラブルを起こさないこと。











