中国メディアの環球時報は13日、「飛行機、自動車からビールまで、工場見学が中国の若者を魅了」と題したシンガポールメディア、ザ・ストレーツ・タイムズの記事を紹介した。

記事はまず、ある日曜日の午後、12人の子どもとその親たちが中国広東省珠海市を拠点とする航空機メーカー、中航通用飛機の工場を訪れ、流線型のプロペラ機が並ぶ様子を写真に撮ったり、水陸両用機「AG600」の組み立てラインを見学したりしながら、ツアーガイドに次々と質問を浴びせていたことを紹介した。

飛行機、自動車からビールまで、工場見学が中国の若者を魅了―シンガポールメディア

そして、この工場は、中国で思いがけず人気を集めるようになった工場の一つだとし、中国全土で工場見学の人気が急上昇していて、小さな子ども連れの親や、校外学習中の小学生、好奇心旺盛な若者たちが、この国の巨大製造業の舞台裏を覗こうと列を作っていると伝えた。

記事によると、中国では今年10月の8連休に産業観光がダークホースのトレンドとして浮上し、航空宇宙や自動車に関連する工場の見学がオンライン検索の5分の1以上を占めた。中国版インスタグラムとも呼ばれる小紅書(レッドノート)では、自動車や飛行機から牛乳、ビール、ルービックキューブに至るまで、「工場見学」のタグが付けられた投稿が約460万回閲覧された。

記事は、2018年から航空宇宙工場見学を企画している男性の話として「産業観光への関心の高まりは、人々が中国の科学技術力に誇りを持っていることを反映していて、学校や親たちが若い世代にこれらの分野への関心を高めようとしていることの表れでもある」と伝えた。

記事によると、中国は、求人数と労働者のスキルのミスマッチに対処するため、職業訓練の拡充を推進してきた。しかし、多くの若者は依然として大学進学を希望しており、限られたホワイトカラー職に就く大学新卒者の数が増加している。

記事は、専門家の話として「優れた工場を見学することは人々の認識を変えるのに役立つかもしれない。多くの若者が製造業を理解し、製造業でのキャリアを志すきっかけとなるだろう」と伝えた。(翻訳・編集/柳川)

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