台湾メディアの三立新聞網は14日付で、韓国旅行中の台湾人が、物品購入などの際のカード決済で、店側と衝突する事例があると紹介した。韓国ではカード決済時の、店側による「署名の手続きの無視」が常態になっているが、それを知らない台湾人旅行者が怒りを爆発させることがあるという。
韓国在住の台湾人ブロガー夫婦の「不奇而遇 Steven & Sia」さん(「不奇而遇」は「不思議ではない出会い」の意。以下、不奇而遇さん)は13日にSNSで、台湾人が韓国旅行をした際にカード決済の署名を巡って店側と激しい口論になったことを紹介した。発端は、店員が署名欄に勝手に「丸印」を書き込み、そのことで署名がされたとして手続きを進めたことだった。
不奇而遇さんは同件を知った時に、店側をかばって「濡れ衣だ」と言いたくなったという。というのは、韓国ではカード決済があまりにも普及しており、コンビニ、カフェ、さらには小さな屋台まで、店員が毎日相手にするのは長蛇の列のカード利用客という事情がある。店側は客に素早く対応するために、カード決済での署名はすでに形式だけになっている。韓国の店員は多くの場合、自分で署名欄に小さな丸印を描いたり、点を打ったり、線を引いたりするという。
不奇而遇さんは、このような処理法を「怠けているのでも、無礼なのでもなく、皆が理解している暗黙の了解なのです」と表明した。
不奇而遇さんはさらに、韓国でカード決済の署名に、フルネームを律儀に書き込めば、店員は心の中で「外国人だな」と思うはずと指摘し、さらに「もし全員がカウンター前でゆっくりフルネームを書き、筆画が曲がっていないか確認したら、後ろに並んでいる人は本当に思いっきり白目をむくことになります」と紹介した。
不奇而遇さんは、台湾人に向けて「だから次に(韓国で)カード決済をするとき、店員さんが代わりに署名してもあまり緊張しないで。店員さんは詐欺をしようとしているのではないのです。韓国人は本当に急いでいるのです。
なお、三立新聞網は同じ記事の中で、韓国旅行に関連して台湾人が不愉快になる、もう一つの出来事も紹介した。韓国は最近になり紙の入国カードを廃止したが、新たな方式では入国者の国籍分類で台湾を「China(Taiwan)」、すなわち「中国(台湾)」と表示していたからだ。同件については中華民国外交部長(台湾外相)も韓国側に対して、「間違った表示を速やかに訂正してほしい」と呼び掛けたという。(翻訳・編集/如月隼人)











