2025年12月14日、中国メディアの瀟湘晨報は、北京市の美術館で男児が重さ2キロの黄金製「鳳冠」を破損するトラブルがあったと報じた。

記事は、北京市にある美術館で先日行われた無料展示会を大人と一緒に訪れた男児が、高さ約1メートルの展示台上でカバーに覆われていた鳳冠を見た際、大人が携帯電話での撮影に夢中になっている間にカバーに息を吹きかけたと紹介。カバーが曇ってしまったため、手で拭こうとしてカバーに触れたところカバーが外れて展示品とともに落下し、鳳冠が破損したと伝えた。カバーは固定されていなかった。

記事によると、これは有名インフルエンサーの夫が手作りした重さ2.5キロの「黄金の鳳冠」だという。インフルエンサーは13日に公開した動画の中で「私にとってとても大きな意味を持つ作品」と語り、当日はカバーで覆うだけでなく警備員も配していたことを明かした。また、SNS上で作品鑑賞時には絶対に手を触れないよう呼び掛けるとともに、損害額の算定方法についてネットユーザーに意見を求めたとのことだ。

軽く触れただけで……男児が黄金製「鳳冠」を破損、賠償責任は?―中国
2キロの黄金製「鳳冠」

今回の展示イベントは、インフルエンサーの夫が発起人となり、美術館と共同で実施したものだという。美術館のスタッフは現地メディアの取材に対し、トラブルが実際に起きたことを認めるとともに、破損の原因について「カバーを固定していなかった」と述べ、展示構造上の不備があった可能性を認めている。

記事は、今回のトラブルについて弁護士が、展示ケースの設計者、イベントの主催者、男児の保護者の三者にそれぞれ過失の可能性があるとし、損害額については資産評価会社が見積もる修復費用や再制作価値の報告書に基づき算定されるとの見解を示したと紹介。作者であるインフルエンサーの夫は男児の家族に直接賠償を求めず、保険で対応する意向を示していることから、保険で対応しきれなかった損害分について、三者の過失度合いを見て負担分が決定することになると伝えた。(編集・翻訳/川尻)

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