台湾メディアのTVBS新聞網は12日、台湾人女性が日本の温泉で入浴していたところ長髪の男が女湯に入ってくる事件があり、当事者の女性が怒りをあらわにしていると報じた。

記事によると、ツアーで四国を訪れていた女性が9日午後9時過ぎ、宿泊先の温泉旅館の浴場で入浴していたところ、黒縁眼鏡をかけた20代くらいの長髪の日本人の男がタオルで体を隠しながら女湯に入ってきたという。

女性は当初、女性なのかと思っていたが、一緒に入浴していたほかのツアー客が怪しんでいるのに気付き、異変を感じた。

男はタオルで体を隠しつつ、他の客がいる場所を探すようにして浴場内を移動していたといい、女性は「眼鏡に録画機能があるのではないか」との疑いと強い不安を抱いたという。

女性らがすぐに旅館のスタッフに連絡し、その後、警察官が駆けつけた。男の眼鏡には写真撮影や録画の機能はないことが確認されたものの、女性は「日本の警察はこの男に対して厳重注意を行っただけで、実質的な処罰は下されなかった」と怒りをにじませた。

また、「旅館側も謝罪と説明をしただけで、有効な再発防止策を示してはくれなかった」と指摘し、女性からスタッフによる管理体制の強化や、カードキーや暗証番号がなければ入室できない入館管理システムの導入などを提案したとのこと。

旅行会社は「旅館は直ちに警察に通報した。添乗員も積極的に旅館とコミュニケーションを取りながら旅行客への配慮を行い、旅館側に改善を求めた」と説明したという。

台湾では今年10月にも、岩手県の温泉旅館を訪れた台湾人女性が露天風呂で入浴中に見知らぬ男が侵入してきたと訴えて話題になったばかり。

記事は、事情に詳しい人物の「日本の温泉施設では通常、入口に性別を管理するシステムはない。日本の警察も事を小さくしがち」という言葉を紹介しつつ、「この事件は、日本の温泉施設における異性侵入の防止が難しい現状を浮き彫りにし、日本で温泉を利用する観光客に対し、警戒心を高める必要性を改めて示すものとなった」と論じている。(翻訳・編集/北田)

編集部おすすめ