中国メディアの観察者網は14日、「産業用ロボットは日本の伝統的な強みだが、中国は新たな技術と新たな分野で競争を繰り広げている」とする香港メディア、サウスチャイナ・モーニング・ポストの記事を紹介した。
記事はまず、「ロボット工学の先駆者だった日本が、人工知能(AI)主導のヒューマノイドブームに乗り遅れている」と指摘した。
そして、12月初旬に東京ビッグサイトで開幕した2年に1回開かれる世界最大規模のロボット専門展で、川崎重工やファナック、安川電機、不二越など日本の産業用ロボット大手が依然として圧倒的な存在感を示した一方で、最も注目されたのは人型ロボットで、その多くはUnitreeやGalbot、AgiBot、ROBOTERA、Lumosなど比較的若い中国のスタートアップ企業によるものだったと伝えた。
記事は、中国のロボット工学のリーディングカンパニーであるUnitreeのブースでは、満員の観客の前でロボットたちによるボクシングやダンスが披露されたと紹介。3Dビジョンシステムと産業用AIの分野をけん引する台湾企業ソロモンテクノロジーのジョニー・チェン会長の話として「Unitreeのロボット本体はしっかりと作られており、2次開発にも容易に適応できる」と伝えた。
また、みずほ銀行のシニアプリンシパルリサーチャー、タン・ジン氏の話として「産業用ロボットは日本の伝統的な強みだったが、中国は新たな技術と新たな分野で競争を繰り広げている。そこには明確な限界がなく、既存企業が優位に立っていない分野だ」とも伝えた。
記事は、早稲田大学が1970年代初頭に世界初の本格的な人型ロボットとして広く知られ、歩行や物体の把持が可能なWABOT-1を開発し、80年代に発表された後継機のWABOT-2はキーボード演奏も可能だったと紹介した。
また、自動車大手のホンダが、同時期に人型ロボットの研究プログラムを開始し、長年の改良を経て2000年にASIMO(アシモ)を発表したことにも触れ、ASIMOは14年に東京を訪れたオバマ米大統領(当時)とサッカーをしたことでも話題となったが、ホンダはASIMOの開発で収益を上げることができなかったため18年に開発を中止したと紹介した。
ソフトバンクグループが14年に発表した車輪付きの半人型ロボットPepper(ペッパー)についても、感情的に対話できるロボットに対する日本の初期の信頼の象徴となったが、需要の低迷により21年に生産が中止されたと紹介した。(翻訳・編集/柳川)











