中国のポータルサイト・捜狐は15日、日本卓球の若手が台頭し、18歳の松島輝空ら3選手が卓球界の勢力図を塗り替える可能性があると報じた。

記事は、「ロサンゼルス五輪に向かうサイクルに入り、中国代表では新旧の世代交代が本格的に始まっている。

若手選手が試合に出場するチャンスを得ているが、残念ながら全体的なパフォーマンスは振るわず、特に男子チームでは近年の育成体制が理想的とは言い難い状況だ」とする一方、「海外チームの急速な成長は中国にとって大きな脅威と挑戦になっており、現在、男子シングルス世界ランキング上位10人のうち中国選手はわずか3人にとどまっている」とした。

その上で、世界では欧州を中心に若手が多数台頭しているとし、フランスのルブラン兄弟、スウェーデンのモーレゴードらはいずれも中国選手と互角に渡り合える実力を持っていると言及。そして「さらに深刻なこと」として、日本で若手有力選手が次々と輩出されていることを挙げた。記事は、張本智和については「過去に何度も中国選手を破っており、実力はある」としつつも、好不調の波がある点を指摘。一方、さらに下の世代の松島ら3人の日本人選手にスポットライトを当て、「中国が十分な警戒を怠れば、将来的に男子卓球界の勢力図が塗り換えられる可能性もある」と危機感をあらわにした。

記事がまず挙げたのは松島で、「日本の新星の中で間違いなく中心的存在である。少年期から日本の国内大会で何度も優勝を果たし、2021年には世界ジュニア選手権U15の部で男子シングルス、男子ダブルス、混合ダブルスの3冠を達成し、卓越した才能を示した」と紹介。「左利きでバックハンド主体の攻撃が際立ち、動作はコンパクトで、戻りが速く、メンタルの強さもある。今年のアジア卓球選手権では王楚欽(ワン・チューチン)を破ったほか、WTTチャンピオンズフランクフルトでは男子シングルス優勝を果たした。世界ランキングもトップ10入りを果たし、日本の中核を担う存在になっている。直近のWTTファイナルズ香港では王に敗れたものの、驚異的な実力を示し、将来的な伸びしろの大きさを印象付けた」と高く評価した。

このほか、先月にルーマニアで行われた世界ユース選手権U19男子シングルスで優勝・準優勝のワンツーを決めた16歳の川上流星と18歳の吉山和希に言及。

川上については「粘り強さと精神力が武器で、バックハンドの技術が突出しているほか、学習能力の高さも評価されている」と紹介し、吉山については「スピードと精度を兼ね備えた両ハンドの連続ドライブを主軸とし、高い攻撃力を発揮して相手を押し込んでいく。総合力とメンタル面の安定感で、国際舞台でも成果を収めている」と評した。

そして、「2人の若手の台頭により、日本男子の育成体制がファンの目にも鮮烈に映っている一方、それに比べると中国男子の若手の成長スピードは緩慢だ」とし、「中国にとって、日本の『三剣客』の台頭は間違いなく新たな挑戦となっている」と結んだ。(翻訳・編集/北田)

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