中国の自動車業界で、過度な価格競争に歯止めをかける動きが強まっています。国家市場監督管理総局はこのほど、「自動車業界の価格行為に関するコンプライアンス指針(意見募集案)」を公表し、現在、社会から広く意見を募っています。
同指針案では、自動車メーカーが在庫処分として法に基づき値下げする場合を除き、実際の出荷価格を生産コストを下回る水準に引き下げる行為について、重大な法的リスクがあると明確に指摘しました。いわゆる赤字販売を原則として禁止する姿勢を示した形です。
また、価格表示の透明性確保も強く求めています。販売現場やオンラインプラットフォームにおいて、車両の仕様、価格、販売促進ルールなどを明確に表示することを義務付け、価格以外の名目で追加料金を請求する行為を厳しく禁じました。
さらに、販売側は契約前に車両の正確な引き渡し時期を消費者に告知し、契約書に明記する必要があります。従来の「おおよそ」「予定」といった表現ではなく、法的拘束力を持つ具体的な日付を定め、違反した場合は契約不履行の責任を負うとしています。
同指針案の発表を受け、長城汽車、長安汽車、小鵬汽車、北汽集団、比亜迪(BYD)など複数の自動車メーカーが相次いで支持を表明しました。価格管理体制を見直し、公正な競争環境の維持と業界の健全な発展に取り組む姿勢を示しています。
中でも国内販売台数トップのBYDは、「長期主義を堅持し、指針を踏まえて価格管理とコンプライアンス体制を継続的に最適化する」と表明しました。消費者利益を守り、価格詐欺や不正競争を断固として排除するとともに、業界の模範的役割を果たし、自動車産業の質の高い成長を後押しするとしています。(提供/CRI)











