中国のポータルサイト・捜狐に16日、「ゲームを奪われるよりも恐ろしいのは松島輝空の言葉」との記事が掲載された。

卓球のWTTファイナルズ香港男子シングルス1回戦で、松島は中国の王楚欽(ワン・チューチン)に3-4で敗れるも、世界ランキング1位をあと一歩のところまで追いつめる素晴らしい戦いを見せた。

何とか勝利した王も「前半はほとんど攻め手がなかった」と松島の実力を認めた。

記事は「王楚欽は現在、名実ともに中国チームの中核を担う主力選手である。今シーズンのパフォーマンスも高く、世界大会で何度も優勝を果たしており、今まさに黄金期にあると言える。一方、松島は日本が重点的に育成している若手選手。総合力の高い技術に加えてメンタルも安定しており、今シーズンは大きな飛躍を遂げた」と評した。

そして、この試合について「王のファンにとっては思わず息を飲む展開となった。王が(ゲームカウント)1-3と大差でリードを許し、崖っぷちに追い込まれた。このスコアは戦前の予想を覆すものだった」とした上で、「王は追い込まれたことで打球の重みを増し、松島は大きなチャンスを前にして感覚にわずかな狂いが生じた」と逆転劇の背景を分析した。

記事は、試合後に松島が「世界ランク1位の相手に勝つチャンスはあり、追い詰めはしたが(勝ちきれずに)悔しい」とある程度の手ごたえを口にしたこと、日本の卓球専門メディアも同様に松島の戦いぶりを高く評価していることを伝えた。

その上で、「最も恐ろしいのは彼が何ゲームか奪ったことではなく、試合に負けた後に『勝てるチャンスがあった』という手ごたえを感じていることだ」というのが中国のファンの間で共通の認識になっていると指摘。「松島の目には次に向けた強い意志しか映っておらず、その表情には冷静な自信が漂う。彼は世界トップとの差はほんの1、2球だけであると確信を得ており、それは自身のパフォーマンスに基づくものだ」とし、松島の台頭が「中国の全ての主力選手に対する警鐘」であると結んだ。

(翻訳・編集/北田)

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