2025年12月18日、中国メディアの新浪財経は、韓国から見た中国の半導体戦略について専門家を取材した。
新浪財経は、2005年以来サムスン電子の中国本部で15年間勤務したという同社元幹部のイ・ビョンチョル(李炳哲)氏を取材した。
イ氏は取材に対し、「韓国では人材不足が顕著な半導体産業が、中国の追撃により生存が危ぶまれるほどの危機にある。これは、中国が半導体の開発を積極的に進めるため、長期的な戦略を取り、大規模な支援や税制上の優遇措置、人材育成政策を提供しているからだ。中国の半導体技術の発展スピードは、1980年代に日本を追いかけていた当時の韓国よりもはるかに速い。現実的には、中国が韓国との技術格差を埋めるにはまだ数年かかるだろうが、生産能力を急拡大している中国は、半導体産業にとって重要な役割を確立している。近年、中国企業は最先端の人工知能(AI)半導体の開発にも着手し、自給自足の実現に向けて加速している。最近、米国はNVIDIA(エヌビディア)の『H200』チップの対中輸出規制を緩和したが、中国側は輸入をコントロールし、AIチップの自給自足を実現したい考えのようだ」と指摘した。
続けてイ氏は、「ファブレス(システム半導体設計)企業の数は、韓国が200~250社なのに対し、中国は3600社もある。また、AIによる消費電力を削減できる化合物半導体の分野でも基礎研究が次々と進められており、現在50社を超える企業がこの分野に取り組んでいる。このことは、設計から製造、パッケージに至るまで、中国の半導体産業全体にポジティブな影響を及ぼしている」と述べた上で、「韓国がリードしていた液晶モニターが十数年後に中国に追い越された悲劇が、半導体分野で再演されるかもしれない。さらには最近の『メモリーのスーパーサイクル(大好況)』によって、韓国の半導体産業に迫る危機が隠れてしまっている。米中の覇権争いの中で受ける板挟みの苦境は変わらない。
記事は最後に、「従来の半導体技術で韓国に追いつくのが難しいと判断した中国は、キーテクノロジーのパラダイムが変わりつつある中、AIチップが突破口になると見なし、コーナーで業界のリーダーを追い抜こうと考えているようだ」と指摘した。(翻訳・編集/原邦之)











