中国メディアの紅星新聞の19日付け報道によると、チャン・ツィイー(章子怡)やリウ・イエ(劉燁)など多くのスターを世に送り出したことで知られ、俳優としても活躍してきた、中央戯劇学院の郝戎院長が重大な規律違反の疑いで取り調べを受けている。郝院長は不正を行ったことを自ら申し出たという。
中央戯劇学院は中国を代表する演劇大学の一つであり、多くの俳優や映画監督を輩出していることで知られる。その学院長は、中国芸能界でも特に権威ある存在で、芸能界における影響力は絶大だ。郝院長は、学内の共産党組織のナンバー2である副書記も務めていた。
郝院長は1971年生まれで、中央戯劇学院演技科を卒業し修士号も取得した。同学院の演技科台詞教育研室主任、演技科主任、演技科中国共産党党支部書記、演技科主任、副院長を歴任し、2018年11月には院長に就任した。ミュージカル分野の教育改革や模索に特に貢献したとされる。
自ら俳優として多くの舞台に出演し、さらに監督として舞台劇関係者に贈られる「金獅奨」も受賞している。教育分野でも多くの賞を受賞し、中国中央政府による特別特殊手当の支給対象でもあった。また、映画やテレビドラマへの出演も多い。
郝院長は、中央戯劇学院の1996年入学生を対象にした「中戯96級スター育成クラス」で、せりふや演技の指導に当たった。このクラスはチャン・ツィイーやリウ・イエ、ユエン・チュアン(袁泉)、チン・ハイルー(秦海璐)、メイ・ティン(梅婷)など、映画テレビ業界に特に多くのスターを送り出したことで知られる。
中央戯劇学院では9月30日、不正摘発の強化とその具体的行動を決める会議が行われた。
中国当局は腐敗撲滅運動の重点対象分野を明らかにしている。2025年には消防、高等教育機関、スポーツ、開発区の4分野が追加された。
大学の学生や若い教官は、高い地位にある者からよい評価を得られないと、自分の将来が大きく損なわれてしまう可能性が高い。中国では、大学において高い地位にある者が自分の権力の行使と引き換えに立場の弱い者から金銭を得たり、性的行為を強要すること、特に男性教官による女子学生に対する加害が、「暗黙のルール」としてあまり問題視されてこなかったと指摘する文章も発表された。(翻訳・編集/如月隼人)











