2025年12月21日、紅星新聞は、韓国・サムスン電子が業界初の2ナノメートル(nm)プロセスを採用したスマートフォン向けチップを発表したと報じた。
記事は、サムスン電子が21日、世界初となる2nmプロセスを採用した次世代スマートフォン向けアプリケーションプロセッサ(AP)「Exynos 2600」の開発を完了し、すでに量産体制に入ったことを明らかにしたと紹介。
また、生成AI(人工知能)やリアルタイム翻訳を支えるNPU性能が113%向上しており、AIの処理速度が飛躍的に高まっているほか、カメラの処理でも最高3億2000万画素のセンサーに対応し、AIアルゴリズムによるノイズ低減や色彩補正も強化されたと紹介している。
さらに、Exynosシリーズでは発熱による性能低下が指摘されており、その克服が最大の課題とされてきた中で、「Exynos 2600」はモバイルSoCとして初めてHPB(ヒートパスブロック)と呼ばれる放熱技術を採用し、熱抵抗を最大16%低減することに成功したとも伝えた。
「Exynos 2600」は、来年2月に発表予定のフラッグシップモデル「Galaxy S26」シリーズに搭載予定となっている。
記事によると、サムスンはここ数年、米クアルコムなどの大口顧客が台湾のTSMCへ発注を切り替えたことで苦境に立たされているという。一方、TSMCの生産能力が飽和状態にあることや、AI市場の急拡大によるチップ需要の激増を背景に、供給源の多角化を求める企業の視線が再びサムスンに注がれているとのことだ。
その具体的な動きとして記事は、米AMDが2nmプロセスでの提携を検討しているとの情報を紹介。将来的にテスラやアップルといった巨大テック企業からの受注獲得に繋がる可能性もあるとした。
そして、サムスンが今回「量産体制に入った」と明言したことは、数千万台規模の供給に耐えうる安定した歩留まりを確保したという自信の表れと受け止められていることを伝えた。
さらに、市場調査会社Canalysの予測によると、AIスマホの出荷比率は28年までに全体の54%に達すると見込まれていると紹介。同社が世界初の2nmチップを武器にAIスマホ時代の主導権争いで優位に立ち、27年までの半導体事業の黒字転換を目指しているとの見方を示した。(編集・翻訳/川尻)











