中国IT大手の字節跳動(バイトダンス)が、vivoなど複数の端末メーカーと人工知能(AI)スマートフォン分野での協業を進めていることが明らかになりました。vivo、レノボ、伝音(Transsion)などの端末に生成AI関連機能を標準搭載し、ユーザーの利用入り口を確保する構想です。

これにより、AIサービスが利用の起点になれていないという課題の克服を目指しています。

複数のvivo関係者によると、vivoとバイトダンスの協業はすでに確認されており、現在は具体的な連携内容について協議が進められています。一方、バイトダンスや関連する端末メーカーは、現時点では公式なコメントを出していません。

vivoはこれまで、騰訊(テンセント)とのAI大規模モデルを巡る深い協業を模索してきましたが、商業化の具体策が見えず、特にトークンコストの負担が障害となり、最終的に合意には至らなかったとされています。AI関連事業の進展が当初の想定を下回る中で、バイトダンスとの連携が現実的な選択肢として浮上した形です。

関係者によると、バイトダンスの狙いは短期的な事業成長ではなく、トラフィックを基盤とする新たな収益構造の構築にあります。開発費やAI利用料をメーカーに請求せず、AIを通じて生まれる広告や会員収入などの収益を、双方で分配する方式が検討されています。まずは2000元(約4万4000円)以上の中価格帯機種で展開し、新機種投入後にOTA(無線によるソフトウエア更新)を通じて他モデルにも拡大。将来的には1億5000万~2億台規模への拡張を目指す構想です。主戦場は海外市場になる可能性が高いとみられています。(提供/CRI)

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