2025年12月22日、中国メディアの第一財経は、日中関係が冷え込む中で中国から日本に向かう航空路線のうち4割が来年1月に全便運休になることを報じた。

記事は、航空データ解析の「航班管家」が22日にまとめたデータとして、来年1月に出発予定の中国本土発・日本着路線のうち、約40.4%に当たる2195便が運休、または航空券の販売を停止していることが分かったと紹介。

特に目立つのは、レジャー客が中心だった地方都市から大阪(関西国際空港)へ向かう路線で、コロナ禍後に相次いで開設された日本の地方都市への直行便も、多くが運休に追い込まれていると伝えた。

また、11月7日に高市早苗首相が行った「台湾有事」をめぐる国会答弁に中国政府が猛反発して日中関係が冷え込み、中国の航空各社が11月中旬に日本路線の手数料無料での払い戻し・変更措置を開始して以降、日中路線の利用者が急減したと指摘。12月だけでも1900便以上がキャンセルされたと伝える一方、運航便が減少したことで、残った路線の航空券価格は上昇傾向にあり、11月に100元(約2200円)程度だった上海―大阪間の最安運賃が5倍の500元(約1万1000円)以上にまで跳ね上がったと報じている。

さらに、中国人観光客の激減が航空業界だけでなく日本国内の観光産業にも打撃を与えているとし、中国人客の比率が高かった京都、大阪、名古屋、福岡などの宿泊施設価格が暴落していることを日本メディアの報道として紹介した。

記事はこのほか、日本路線から引き揚げられた中国の国際線輸送能力が、需要の堅調な他国路線へと振り替えられていると紹介。旅行予約サイト「去哪児(Qunar)」のデータでは、タイが冬休みの海外旅行先として首位に返り咲いたほか、韓国・ソウル便の予約数も前年比3.3倍と爆発的に増加し、免税措置の影響でロシア便の予約も1.5倍に伸びるといった傾向がみられており、航空各社はこれらの地域やタイ、ベトナム、マレーシア、さらにはオーストラリアやニュージーランドへとリソースを再配分していると伝えた。(編集・翻訳/川尻)

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