台湾メディアの中時新聞網は25日、台湾人の1人当たり国内総生産(GDP)が初めて韓国を上回ると報じた。

記事は、国際通貨基金(IMF)の予測を基に「台湾の今年の1人当たりGDPは3万7800ドルに達し、アジアで4位となる見通し。

23年ぶりに韓国を上回るだけでなく、日本を上回るのも2年連続となり、アジアの主要経済体の中で台湾の相対的な実力が明確に高まっていることを示している」と伝えた。

アジア1位はシンガポールで9万4500ドル、2位はマカオで7万4900ドル、3位は香港で5万6900ドル。以下、台湾、韓国、日本、ブルネイと続く。IMFは台湾の1人当たりGDPの成長の鍵が、先進半導体に対する世界的な需要が引き続き強いことにあると指摘している。

台湾積体電路製造(TSMC)は第3四半期も好調な業績を示した。連結売上高は前四半期比6%増の9899億2000万台湾ドル(約5兆円)。前年同期比では30.3%増と、四半期として過去最高を更新した。第3四半期の純利益は4523億台湾ドル(約2兆2500億円)。1株当たり純利益(EPS)は17台湾ドル(約84円)を突破し、粗利益率は59.5%に達した。1日平均で約49億台湾ドル(約240億円)を稼いだ計算となり、台湾経済を支える重要な柱となっている。

記事は、「台湾が23年ぶりに再び韓国を上回ることは極めて象徴的な意味を持つと分析されている」と言及。「韓国は長年にわたり、大企業グループと輸出志向型の製造業を強みとし、台湾を上回ってきた。

今回の順位逆転は、半導体産業が世界のサプライチェーンにおいて持つ戦略的価値を反映するとともに、高付加価値製造分野における台湾の競争優位性を際立たせている」とし、「台湾は昨年、1人当たりGDPで初めて日本を上回り、今年はその差をさらに広げた。構造的な成長エンジンが依然として維持されていることを示している」と評した。

一方で、経済学者からは「1人当たりGDPは重要な指標ではあるが限界もある。所得の格差を覆い隠す可能性があるほか、物価や生活コストの違いを考慮しておらず、国民の生活福祉を総合的に反映するものではない」との指摘も出ていると伝えた。(翻訳・編集/北田)

編集部おすすめ