今年上半期の中国越境EC輸出入総額は前年同期比10.3%増の1兆3700億元(約30兆1400億円)に達した。越境EC業界の急速な発展により、雇用が創出され、関連ポストが急増している。

中国人的資源・社会保障部が今年発表した17の「新職業」に「越境EC運営管理師」も堂々と名を連ねている。新華網が伝えた。

重慶市のドア・窓メーカーの美心集団で働いて6年になる唐和霞(タン・ホーシア)さん(29)は今年、ニューメディア運営から越境EC業務へと配置転換され、越境EC運営管理師になった。

中国の新職業、商品を海外に販売する懸け橋となる「越境EC運営管理師」

唐さんは「中国の製品の価格はリーズナブルで品質も優れているため、ますます世界各地の消費者の間で人気を集めるようになっている。当社も今年、越境EC専門の部門を設置した。主に、アマゾンといった海外のECプラットフォームを通して、外国語を使って当社の製品を販売している。消費者の問い合わせに対応したり、オーダメイド、アフターサービスなどを提供したりしている」と話す。

唐さんによると、「越境EC」というのは、外国人と外国語でコミュニケーションを取るだけが仕事と思っている人もいるかもしれないが、実際には、海外のクライアントのライフスタイルや思考パターンなどを理解する必要もある。例えば、欧州のクライアントはドアに牛乳箱を付けてほしいと要求する可能性があり、アフリカのクライアントはドアの中に鋼板の層を作ってほしいと要求する可能性がある。

中国の新職業、商品を海外に販売する懸け橋となる「越境EC運営管理師」

「越境EC運営管理師」というのは、「営業スタッフ」であると同時に、「通訳者」でもあり、生産部門に外国のクライアントの要求を正確に伝えなければならない。さらに、「文化の仲介者」でもあり、世界各地の消費者のさまざまな好み、ニーズを理解しなければならない。そして唐さんが特に気に入っている業務の一つが、創意あふれるショートビデオの撮影だ。

彼女は同僚と共に、海外のソーシャルメディアにショート動画をアップし、はるか遠くに住むクライアントに会社の製品や文化を理解してもらうことで、ブランドの影響力を拡大させている。

「中国越境EC人材育成白書」によると、今年、中国の越境EC人材は400万人不足している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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