2025年12月25日、香港メディア・香港01は、中国で「小骨のない食用魚」の開発に成功し、来年にも食卓に上る見込みだと報じた。
記事は中国メディア・光明網の報道を引用し、中国科学院の桂建芳(グイ・ジエンファン)氏がこのほど、中国国内で「小骨のない魚」の育種技術が大きな進展を遂げたことを明らかにしたと紹介。
そして、桂氏の話として、魚の小骨の成長を制御する遺伝子信号を抑制することで、魚の生存に必要な背骨や肋骨といった大きな骨は残しつつ、小骨だけを完全に消失させることに成功したと説明。小骨がなくなることで喉に刺さる心配がなくなる上、かつ通常の魚と変わらない食感や風味が楽しめるとした。
また、「小骨のない魚」の技術は「食べやすい」以外にも複数のメリットやリスク回避の特徴を備えていると指摘。特殊な生殖技術により、養殖場から逃げても野生種と交雑するリスクが低く「種の汚染」が防げること、成長が早く飼料効率の良い優良品種ベースであり、年間数十億元規模の経済効果が期待できること、コイ、ソウギョ、フナなど主要な食用魚で技術が確立されており、将来的にはさらに多くの魚種に拡大される予定であることを挙げた。
記事は、桂氏が「小骨のない魚」の産業化スケジュールについて、農業農村部による新たな審査ガイドラインの策定を待っている段階であり、ガイドラインの完成を経て審査が行われるようになれば大規模生産が可能という「ラストワンマイル」の状態にあると紹介し、すでにコイやソウギョの種苗は量産体制が整いつつあると述べたことを伝えた。
桂氏によると、順調に進めば来年には小骨のないフナやソウギョがスーパーやレストランに登場し、日常的な食材として普及することが期待できるという。(編集・翻訳/川尻)











