2025年12月25日、シンガポール華字メディアの聯合早報は香港メディアの報道を基に、中国の南京博物院所蔵絵画の流出騒動への関与の疑いで告発を受けた同院の元院長、徐湖平(シュー・フーピン)氏が捜査当局に拘束され、聴取を受けていると伝えた。
記事によると、香港の週刊誌「亜州週刊」は23日、中国SNS・微博(ウェイボー)の公式アカウントを通じて、「23日午後12時30分ごろ、幕が下りた」というコメント付きで画像を投稿した。
南京博物院所蔵絵画の流出騒動について、著名な書画収集家・龐莱臣(1864~1949年)の子孫から寄贈された絵画137点のうち5点が贋作(がんさく)と鑑定され、同院が1990年代に所蔵品管理規則に基づいて処分したと回答していた。しかし、龐莱臣のひ孫にあたる龐叔令氏は、「寄贈した絵画はすべて貴重かつ珍しい品々ばかりであり、贋作が存在するはずがない」として、南京博物院の行為は一族の名誉を著しく傷つけるものだと反発している。
記事は、「南京博物院が示している一連の絵画の行方に関する証拠にも疑問点が残る。特に贋作と鑑定された明代の画家・仇英(1505年ごろ~1552年)の絵巻『江南春』は、2001年4月に6800万元(約15億円)で売却されたが、今年開催されたオークションでは8800万元(約20億円)の値が付いたため、南京博物院が立場を利用して汚職を働いたとの疑いが浮かび上がっている」と指摘した。
続いて記事は、「当時、絵画を処分した責任者とされる徐湖平氏には、多くの中国メディアから質問状や取材依頼が寄せられていたが、徐氏は今月19日時点で、メディアに対し、この件への関与を否定した。だが、南京博物院の元職員・郭礼典(グオ・リーディエン)氏による21日付の告発によると、徐湖平氏は2004年に江蘇省検察院反貪局の元局長だった韓建林(ハン・ジエンリン)氏に書画を進呈したという」と述べた。
「亜州週刊」によると、告発した郭礼典氏は24日午前8時に江蘇省当局の招待を受け、作業部会の聴取を受けている。また、郭氏が亜州週刊に回答した内容によると、南京市のある江蘇省だけでなく、甘粛省などさまざまな地域から頻繁に脅迫電話を受けたという。(翻訳・編集/原邦之)











