中国西部の陝西省にある阿房宮遺跡の考古学研究でこのほど、新たな進展がありました。陝西省文物局によると、阿房宮の土台の建設手順や施工の詳細が初めて明確に確認され、中国古代の宮殿形態や立地選定、秦の都城建設計画の研究に新たな資料を提供しました。
阿房宮遺跡は、陝西省西咸新区灃東新城に位置します。阿房宮と上林苑の考古学チームは今年、阿房宮の土台中央東寄りの場所で発掘を進め、土台南縁の正確な位置を確認し、従来の復元位置より約32メートル北にあることが分かりました。
考古学チームは、阿房宮の土台を突き固めて築造する土壁打ちの基本的な工程を明らかにしました。まず工事区域にある「池」の水を抜き、底部の淤泥(おでい)を清掃し、深さが異なる基礎溝を作り、「池」の底の淤泥をほぼ同じ厚さに保ちます。その後、阿房宮の土台をいくつかの部分に分け、土壁打ちを南(外側)から北(内側)へ向け進めました。基礎の土壁打ちが一定の高さまで達した後、南から北へと土台の北部に土を運び、下層の硬質構造を構築しました。さらに硬質構造の北端で土台北部の土壁打ちを進め、次第に南へと土を突き固め、北から南への順で土壁打ちを実施しました。今回の考古学調査では、阿房宮の建設任務が明確で、整然とした分業の下に進められていたことが分かりました。(提供/CRI)











