韓国メディア・聯合ニュースはこのほど、「貧乏ミーム」と呼ばれる投稿が韓国のSNS上で流行し、一部で批判を集めていると報じた。

記事によると、SNS「Threads(スレッズ)」を中心に、豪華な車や高級ホテル、ブランド品などの写真を投稿しながら、「この貧しさからいつ抜け出せるのだろう」など、実態とは正反対の「貧乏アピール」のキャプションを添える投稿が流行している。

記事は、ラーメンの横にフェラーリのキーを置き「お金がなくて今日もラーメンだけ」と書かれた食事写真や、高級外車を運転しながら「ガソリン代もないので、今日も出勤」と書かれた投稿は、多くの「いいね」を集め、一種のネタとして拡散していると説明。一部の利用者からは「笑わせてもらった」「こんな貧乏なら体験したい」といった肯定的な声も上がっているという。

韓国SNSで流行の「貧乏ミーム」に批判集まる=韓国ネット「ただのマウント」「面白くないし下品」
写真はSNSより

一方で、こうした投稿について、「『貧困を笑いの道具にしている』『本当に苦しい人を侮辱している』との批判も急速に広がっている」とし、「実際に生活苦を経験している人々からは『貧乏はジョークではない』と反発の声が出ている」と伝えた。

また、この現象を巡っては、1975年に発表された作家・朴婉緒(パク・ワンソ)の短編小説「盗まれた貧しさ」が再び注目を集めているという。同作は、貧しい主人公が節約のため、メッキ工場で働く青年と同居することになるが、その青年は実は貧困を「体験」しに来た裕福な家の子どもだったというストーリーで、韓国のネット上では「『貧乏ミーム』の貧困をファッションや遊び道具として使う風潮そのものだ」との指摘が相次いでいるという。

韓国SNSで流行の「貧乏ミーム」に批判集まる=韓国ネット「ただのマウント」「面白くないし下品」
写真はSNSより

記事は専門家の「韓国は短期的に経済成長を成し遂げたため、社会システムの基準が経済的な要素に合わせられている。そのため韓国社会では富や成功を他者に示したり、誇張する文化が強い」との見方を示した上で、「貧困を戯画化し軽く扱う風潮は、社会的弱者への理解のなさを表している」と指摘。「周りや、地域社会にいる弱い立場の人々への関心が必要」と警鐘を鳴らした。

これについて韓国のネットユーザーからは「自慢したいなら堂々と自慢すればいいのに」「ユーモアじゃなく、ただのマウント」「SNSの承認欲求が生んだ最悪のミーム」「面白くないし、下品」「朴婉緒の『盗まれた貧しさ』がここまで的確とは」などの声が上がった。

また、「これを面白がっている人が怖い」「実際生活に困っている人はたくさんいるのに、貧困をネタにしようという感覚が信じられない」「冗談にしていいテーマとダメなテーマがあるのも分からない?」「経済格差が広がっている今だからこそ、より不快」「これは流行じゃなくて、感覚の劣化だと思う」などの声も見られた。(翻訳・編集/樋口)

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