中国メディアの紅星新聞は中国で比較的年齢の高い人のHIV感染が増えていると紹介する記事を発表した。知識不足と「臨時の性行為」、すなわちいわゆる「行きずりの性交渉」が大きな原因とみられるという。

各地の行政は対策に力を入れている。

高年齢層のHIV感染の増加は直近になり発生したのではない。「中華流行病学雑誌」が2023年に掲載した「わが国の高齢者層におけるエイズ防控の現状と課題」と題する文章によると、15年には3万2850例だった高齢者層のHIV感染が、22年には5万1856例に増加した。うち60歳以上は15年の1万7451例から22年には2万7004例に増加した。22年に報告された60歳以上のHIV感染者数は、同年の報告の中の25.1%に達した。

同文章によると、中国の高齢者層の中では、HIVの感染予防のための重要な知識を知っている人はわずか51.0%で、最終学歴が小学校以下だったり農村に居住している人では、知識の普及率はさらに低かった。また高齢になるほど知識を持たない傾向がある。

文章はまた、高齢者層はHIV感染リスクに対する認知度が低く、予防措置を取らない臨時の性行為が発生する比率が比較的高いことが、HIVの感染リスクを高めていると指摘した。15年から22年の間に新たにHIVの感染が報告された人のうち、異性間性交渉により感染した人の割合は、50代の場合には90.9%、60歳以上では94.6%だった。

地方での調査でも、HIV感染の高齢者層への広がりが示されている。広東省の発表では、HIV感染が新たに確認された人のうち、60代が占める割合は15年の12.4%から、23年1-10月には19.4%に増加した。25年には、浙江省疾病予防管理センターの張新衛(ジャン・シンウェイ)氏が、浙江全省の新報告のHIV感染者数量は6年連続で安定して下降したが、25年の新規報告例の中で、50歳以上の占める比率は39.2%だったと説明した。

貴州省貴陽市の報告では、50歳代以上の人の、AIDS患者の晩期発見率は、50歳未満の人よりも顕著に高く、24年には79.67%に達した。

広東省政府が25年10月に発表した「広東省エイズ抑制・防治行動案(2025ー30年)」は、高齢者層のHIV感染予防を重点業務に明確に組み入れ、広州衛生サービスプロジェクトと組み合わせて50歳以上の人に対しHIVの感染検査を展開することを模索し、高齢者層のHIV感染など性病予防を健康知識の向上、健康宣伝週、心理ケアなどを実施することを組み入れることを提起した。重慶市や江西省などの地域でも、同様の取り組みが進められている。(翻訳・編集/如月隼人)

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