2025年12月27日、中国中央テレビ(CCTV)は、中国の「宇宙ネズミ」が地球で無事に出産したと報じた。

記事は、中国科学院空間応用工程・技術センターが26日に明らかにした情報として、10月31日に宇宙船「神舟21号」で宇宙へ送られた4匹の実験用マウスのうち、雌の1匹が帰還後に妊娠し、12月10日午前6時ごろに9匹の子を出産したと紹介。現在はそのうち6匹が生存しており、生存率は正常な範囲内だと伝えた。

中国の「宇宙ネズミ」が地球で無事出産―中国メディア

また、マウスは2週間の宇宙滞在を経て11月14日に地球に帰還したとのことで、中国科学院動物研究所の王紅梅(ワン・ホンメイ)研究員が今回のミッションについて、短期間の宇宙飛行がマウスの生殖能力に悪影響を及ぼさないことを証明したとコメントしたと報じた。

記事によると、宇宙滞在中には「神舟20号」による帰還計画が遅れたことによりマウスの食糧が尽きるトラブルが発生したものの、予備の飲料水や宇宙飛行士用の豆乳を代替食として与えることで問題を解決した。この意思決定には人工知能(AI)行動判定システムを用いたマウスのリアルタイム追跡が貢献したという。

今後は産まれた子の成長曲線や繁殖能力を継続的に研究し、宇宙環境が哺乳類の多世代にわたる遺伝や発育に与える影響を深く探る方針だという。(編集・翻訳/川尻)

編集部おすすめ