2025年12月29日、中国メディア・上観は韓国大統領府が約3年7カ月ぶりに青瓦台へと戻ったことについて、「ジンクス」脱却を目指し移転した前政権も結局逃れることはできなかったと報じた。

記事は、ソウルにある青瓦台で29日、国家元首を象徴する「鳳凰旗」が掲揚されて大統領府の正式な再移転が実現したと紹介。

青瓦台は1948年以降、大統領の官邸兼執務室として機能してきたが、22年5月に就任した尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領が「帝王的権力の象徴」であるとして、ソウル市龍山の国防部庁舎へ機能を移転していたことを伝えた。

そして、龍山移転後は執務スペースの不足や安保リスクなどの問題が露呈したほか、今年4月には尹氏が24年末に非常戒厳を発表して国政を混乱させたことを理由に罷免される事態となり、大統領選を経て6月に就任した李在明(イ・ジェミョン)大統領が直ちに青瓦台への復帰を指示したと解説。12月に入って本格的な引っ越し作業が始まり、年内の移転完了に至ったことを紹介した。

韓国大統領府が3年7カ月ぶりに青瓦台に復帰、前政権は結局「呪い」の餌食に―中国メディア

記事は、李政権は大統領府に「復帰」した青瓦台について、青瓦台の閉鎖的なイメージを払拭し、記者会見場の開放などを通じて国民とのコミュニケーションを拡大する方針を示していると紹介するとともに、30年までに大統領府を世宗市へ完全移転する構想も立てていることを伝えた。

その上で尹氏について、風水まで考えて大統領府を移転させながら、結局大統領経験者が悲惨な末路を進むいわゆる「青瓦台の呪い」から逃れられなかったと皮肉混じりに評するとともに、専門家からは「場所の問題ではなく韓国の現行大統領制自体に構造的な欠陥があり、政治改革が必要」との声も出ていることを紹介した。(編集・翻訳/川尻)

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