仏RFIの中国語版サイトは29日、中国の比亜迪(BYD)が2025年の電気自動車(EV)販売で米テスラを追い抜く見込みだとするAFP通信の記事を紹介した。
記事によると、ハイブリッド車も生産しているBYDは11月末時点で207万台のEVを販売した。
BYDとテスラは25年の最終的な数字を近々発表すると予想されている。今年これまでの販売データに基づくと、イーロン・マスク氏が率いるテスラがトップの地位を維持できる可能性はほぼゼロだ。
テスラの9月の数字には、気候変動懐疑論者のドナルド・トランプ大統領が支持した法案により終了したEV購入者向けの税額控除の期限が切れる前の3カ月間で販売台数が50万台近くまで一時的に増加したことが含まれている。
金融データなどを提供するファクトセットの分析によると、テスラの次の四半期の販売台数は44万9000台に減少すると予想されていて、25年通年の販売台数は前年比7.7%減の約165万台となり、BYDが11月末までに達成した販売水準を大きく下回る。
ドイツ銀行は第4四半期(10~12月)のテスラのEV販売台数について、40万5000台にとどまると予想している。同社の販売台数は北米と欧州で約3分の1減少し、中国では10分の1減少すると見込んでいる。
業界関係者は、米国では25年9月末に7500ドル(約117万円)の税額控除が廃止された後、EV需要が均衡レベルに達するには時間がかかるだろうと指摘している。
それ以前にも、テスラは最高経営責任者(CEO)のマスク氏がトランプ大統領をはじめとする極右政治家を政治的に支持していたため、主要市場で販売が苦戦していた。BYDをはじめとする中国企業や欧州の大手企業との激しい競争にも直面している。
ウェドブッシュ・セキュリティーズのダン・アイブス氏は、ウォール街が「26年に始まる自動運転時代に鋭く注目している」と語る。
BYDは急速に成長したにもかかわらず、国内市場では試練に直面している。
フィッチ・レーティングスのアジア太平洋企業格付けディレクター、ジン・ヤン氏は、BYDについて「EVの海外生産能力とサプライチェーンを確立した先駆者の一つだ」と語る。(翻訳・編集/柳川)











