香港メディアの香港01は「日本アニメはなぜ『文化戦争』と言われるのか」との記事を掲載した。

記事はまず、「日本の高市早苗首相は11月7日、衆議院予算委員会で『台湾が武力攻撃を受けた場合、これは日本の存立危機事態になり得る』と発言した。

この発言はすぐに中国側の強い反発を招き、東アジアの緊張を一段と高める結果となった。しかし、軍事や外交の動きとは別に、もう一つの戦いが静かに進んでいる。それはアニメやゲームなどを通じた『文化戦争』だ。この戦いは映画館や配信サービス、グッズ売り場といった私たちの日常の中で行われている」と説明した。

続けて、「その代表例としてよく挙げられるのが、『宇宙戦艦ヤマト2199』だ。もともと『大和(ヤマト)』は第2 次世界大戦で日本の象徴的な戦艦だった。それをこの作品では人類を救うヒーローのような存在として描いている。これは単なるSFの演出ではなく、『過去のイメージを別の形で見せ直す』試みだと指摘されている。アニメという親しみやすい形を使い、若い世代に日本の軍事は『守る存在』『正義』という印象を自然に持たせる効果がある」と論じた。

また、「『ガンダム』や『進撃の巨人』は、よく反戦アニメだと言われる。しかし問題は、内容とは別のところにある。ロボットや兵器が非常に細かく、格好良く描かれ、戦闘シーンは迫力満点だ。

その結果、『戦争は悲惨だ』と言いながらも、『戦う姿が格好良い』『兵器が魅力的だ』という印象が強く残ってしまう。映画監督のフランソワ・トリュフォー氏は、『戦争映画は、どんなに反戦を描いても、映像である以上、戦争を美しく見せてしまう』といった主旨の指摘をした。日本アニメもまさにこの問題を抱えているといえる」と述べた。

さらに、「『ガンダム』関連の商品は毎年莫大(ばくだい)な売り上げを生んでいる。プラモデルやフィギュアが売れ続けている以上、反戦メッセージは作品を正当化するための便利な言葉になっているとの見方もある。特に若い世代にとっては、歴史的な背景よりも、映像の迫力や強さへの憧れの方が強く印象に残る。その結果、軍事力や武力に対する心理的な抵抗感が少しずつ下がっていく危険があると指摘されている」と言及した。

その上で、「この流れは偶然ではない。日本政府は『クールジャパン』政策を通じて、アニメを海外に展開するための支援を行ってきた。特に注目すべきなのは、作品の制作そのものよりも、海外で配信・販売されやすくするための流通や配信の仕組みに公的資金が投入されている点だ。また、自衛隊はアニメ作品を使った募集ポスターを実際に作っている。『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』のような作品では、自衛隊が異世界で活躍する姿が描かれ、これが若者に好意的な印象を与えている。

アニメを通して『軍隊は頼もしい』『武力は正義を守るもの』というイメージが広がっていく」とした。

記事は、「このような日本アニメの影響に対し、周辺国の対応は国ごとに違う。韓国では、旭日旗などの表現に非常に敏感で、法的規制を検討する動きもある。中国では、問題があると判断された作品は規制される一方、自国アニメの育成が進められている。台湾では、アニメイベントに実際の軍事装備が展示されるなど、アニメと軍事がかなり近い形で結びついている。この状況について、『自然な文化交流なのか、それとも危うい流れなのか』は意見が分かれている」と伝えた。

そして、「アニメの芸術的価値を全面否定する必要はない。重要なのは格好良さの裏に何があるのかを考える姿勢だ。なぜ兵器はこんなに魅力的に描かれているのか、なぜ軍事力が正義の象徴のように見えるのか、そこを一歩引いて考えることが大切だ。『反戦』と言いながら、実際には戦争のイメージを売っているのではないか、その点に気づけるかどうかが、私たちの考える力を守ることにつながる。流行や映像の迫力に流されず、冷静に考え続けること。それこそが、この『文化戦争』の中で、私たちにできる最も現実的な防御だ」と結んだ。

(翻訳・編集/岩田)

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