2025年12月30日、中国メディアの観察者網は日本経済新聞などの報道を基に、世界の新車販売台数で、中国車が今年初めて日本車を抜いて首位に立ったことを伝えた。
記事は「日経新聞やS&Pグローバル・モビリティのデータによると、11月までの世界の新車販売台数は、中国車が前年同期比17%増の約2700万台、日本車が前年から横ばいの約2500万台と予測される。
記事は中国車が新車販売台数で日本を追い抜いた理由を三つ挙げた。一つ目は「中国国内市場の高いシェア」で、「中国メーカーは国内市場では約7割を占めており、政府が電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の普及を後押しする政策を打ち出したことで、乗用車に占める新エネルギー車の比率は6割に達するなど、足元の強さが出ている」と指摘した。
二つ目は「中国市場での新エネ車関連事業の推進力の大きさ」で、「近年、さまざまな補助金やインフラ建設により、新エネ車用のバッテリーやモーターなどのコア部分の電動化技術の発展が進んだことで、EVやPHVなどでの自動車産業チェーンが多様化し、独特の競争環境を形成している。上流から下流までをカバーする新エネ車のサプライチェーンとソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)に代表される自動車のスマート化の先行が、東南アジアや欧州、南米やアフリカなど各地域の市場にも影響している」と伝えた。
三つ目は「海外市場での販売台数増加」で、「中国汽車工業協会の統計によると、これまで日本メーカーが主導権を握っていた東南アジア地域で、中国車の販売台数は前年比49%増の約50万台に達すると予想されている。トヨタ自動車のデータによると、同社のタイ市場の新車販売台数は市場シェア69%で、5年前の約90%から大きく落ちている。欧州市場のデータでは中国車が7%増の約230万台に達すると予想されている。アフリカでは32%増の約23万台、南米では33%増の約54万台に達するとそれぞれ予測されている」と述べた。
次に記事は、中国自動車市場が急速に発展する中で抱えるリスクについて二つ指摘した。一つ目は「国内市場の競争激化で潜在的な価格競争が依然として存在し、市場全体の利潤の伸びが鈍化する」と指摘した。二つ目は米国やカナダが100%を超える関税を課すなどの実例を挙げて「中国メーカーの海外進出のスピードが早まると、他国の貿易保護措置を誘発する」と指摘した。
記事は最後に「海外メディアも指摘しているように、中国車メーカーが先行するEVやスマート化の領域は、ちょうど日本車や欧米車の弱点でもある。特に日本車メーカーにとっては、この二つの領域の停滞が突出している。市場シェアを守るため、中国の部品や生産方式を採用する日本車メーカーは少なくない。中でも日産は中国で開発した低コストのEVの輸出に着手している。トヨタは中国のサプライチェーンからの部品調達を拡大して、コスト面の競争力の向上を図っている」と述べた。(翻訳・編集/原邦之)











