シンガポールメディア・聯合早報はこのほど、日本でテクノロジー人材が不足しており、企業がヘッドハンターを雇って学生の奪い合いを繰り広げていると報じた。
記事は、日本の人口減少により先端分野での人材需要が逼迫しており、新戦力を効果的に確保するため、大手企業は大金を投じて雇ったヘッドハンターを通じて大学卒業予定者にアプローチし、キャンパス内で情報を収集するだけでなく、高額な給与を提示して人材を確保しようとしていると伝えた。
そして、ある大学の理工学部3年生の事例として、「就職活動の書類も出していないのに企業から電話があり、年収1500万円でのオファーを受けて非常に驚いた」という声を紹介。ヘッドハンターはスキルや経験に基づいて学生を選別し、個別に連絡を取っており、中には書類選考や一次面接なしで採用が決まるインターンシップ生もいるとした。
記事は、日本企業は従来、人事部が大学を訪問して説明会を行っていたが、出生率低下で競争が激化する中で採用手法が多様化したと解説。ある調査では日本企業の20%が新卒採用にヘッドハンターを利用しているとし、仲介業者からは「企業の成功報酬は1人当たり100万~200万円と高額だ」との声も聞かれると紹介した。
また、日本メディアの報道として、技術系人材が不足している主因は外資系企業の増加にあるとの分析も紹介し、「設計や生産管理のエンジニアが深刻に不足しているが、優秀な学生はTSMC(台湾積体電路製造)など高給を出す外資や海外の研究機関に行ってしまう」という半導体業界関係者の話を伝えた。
記事はその上で、外資を含んだ企業間での人材の奪い合いが激化する中、ヘッドハンターだけでなく大手テック企業自体も大学との連携を深めていると紹介。TSMCが東京大学内に共同研究ラボを開設し、学生が設計から製造まで学べる環境を提供していることや、米マイクロン・テクノロジーが日本の11大学と教育プログラムを開始したこと、日本政府が支援するラピダスも東京大学に技術センターを設立し、今後5年で設計エンジニア200人を育成する計画であることを紹介した。(編集・翻訳/川尻)











