中国メディア・斉魯晩報は14日、「お茶碗のごはん粒を残すと、目がつぶれる」という日本の民間の言い伝えに含まれた意味について考察する記事を掲載した。

 記事は、大学時代に知り合った日本のクラスメイトが食事の際に必ず茶碗のごはん粒を一粒たりとも残さず食べ、しばしば「きれいに全部食べないと、目がつぶれるよ」などと脅してきたというエピソードを紹介した。
また、仕事で多くの日本人と接するようになると、かつてのクラスメイトと同じように考えている人が非常に多いことに気づいたとしている。

 そして、日本人がこのように考える理由について「ごはんを残すと農家に失礼」、「小さいころから言い聞かされた」、「お米には神様が宿っているから」、「残すと貧乏神がやってくる」といった意見が聞かれたと説明。結局のところ科学的な根拠はなく、いわば日本の民俗的な言い伝えであるとする一方で、伝統的な信仰以上に「第2次世界大戦後の悲痛な記憶に起源を持つ」印象を覚えるとの考えを示した。

 そのうえで、戦後の「欠食時代」にベビーブームが重なった時期に育った日本人は小さいころから親から「食べ物を無駄にしてはいけない」と厳しく言い聞かされて育ち、「残せば災いが来る」というさまざまな言い伝えが生まれたのだとした。また、高度成長を経て「飽食時代」に入ると、貧しい時代を知らない子どもたちが食べ物を平気で残す現象が生じたことから、日本政府が学校に対して食べ物を大切にする教育を施すよう指示したと紹介。その影響もあって、今もなお「ごはん粒を残すと目がつぶれる」といった類の話が残っているのだと伝えた。


 記事は最後に「日本人がごはんを残さないのは、表面的に見れば迷信なのだが、深く考察すれば教育の結果なのである。そこには、かつて飢えに苦しんだ国に刻まれた、食の安全に対する焦りが隠されているのだ」と評している。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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