シンガポールメディアの聯合早報は2日、中国の不動産開発大手の万科について、中国当局が救済するか否かのジレンマに陥っているとする記事を掲載した。
記事はまず、「万科は昨年末、計57億元(約1280億円)に上る2本の社債が期限を迎え、債務不履行の瀬戸際に追い込まれた」と説明。
記事によると、同報道は関係者の話として「中国の国有銀行はすでにリスク管理を強化している。当局も救済に乗り出す意向はなく、リスクの波及を防ぐための対応策を検討し始めている」と伝えた。
だが、同業他社に比べ万科は中国の金融システムとの結び付きがより強く、中国の不動産市場が下げ止まっていないこともあって、「当局は最終的に手を差し伸べる」との見方もあるという。
記事は、過去2週間の万科をめぐる議論では当局による救済があるかどうかが世論の関心の的になったと記し、「万科の筆頭株主である深セン市地鉄集団は昨年、約308億元(約7000億円)の株主融資を提供している。昨年11月に締結された同集団と万科の枠組み協定に基づくと今年6月末までに同集団が貸し付けられる額は22億9000万元(約510億円)にとどまる」と説明。そして、返済猶予によって今年1月に延期された万科の57億元の債務と今年期限を迎える124億元(約2800億円)の債務を考えると、同集団による「輸血」だけではカバーするのが難しいことを意味すると指摘した。
記事によると、ある業界関係者は取材に対し、「万科の資金調達は大手金融機関からのものが多く、規模が大きくて金融システムに影響が広がりやすい」として「万科が最後に『返せない』となったら問題は大きい」と語った。
一方、フランスの投資銀行ナティクシスのアジア太平洋担当の上級エコノミスト、呉卓殷(ウー・ジュオイン)氏は「中国の不動産業界に『大きすぎて潰せない』という論法は存在せず、当局が万科を救済する可能性は低い」との見解を表明。呉氏は「当局が最終的に介入するとしても、その目的は債務再編を促し、建設中のプロジェクトの完了に必要な最低限の流動性を確保することにある可能性が高い」と指摘し、「現在の状況は中国政府の目標が不動産市場の安定であり、開発業者そのものの救済ではないことを改めて示した」と述べたという。
記事は他にも、「当局による万科救済には不確実性が依然存在するが、確かなのは当局が不動産業界に対する支援の力加減を持続的に弱めていることだ」という専門家の声を紹介した上で、業界関係者が「消費者は現時点で不動産市場を楽観視していない。当局が万科救済に資金を投入しても、効果があるとは限らない」「過去数年、中国では多くの不動産会社が倒産しており、万科にも不適切な資金調達が少なくない。











