大学1年の李響さんは約束の時間の10分前となる午後2時50分に、学校の近くのカフェに到着し、窓際の席に座った。そして、メガネを丁寧に拭いて、第一印象を良くするために、まず初めに言う言葉を練習していた。

会う約束をしているのは、ショート動画関連の創業者で、会うのは初めて。その目的は「スキルシェア」で、こうした交流は「Coffee Chat」と呼ばれている。李さんが「Coffee Chat」を利用するのはこれが初めてだ。中国青年報が伝えた。

コーヒーを飲みながら会話する「Coffee Chat」は、海外ではよくある商談の場となっている。そして、中国では最近、スキルや情報を交換することを目的として、誰かとカフェで会うというのが、若者の間で人気となっている。そして、若者が仕事の機会や業界の情報を入手する手段にもなっている。

若者はソーシャルメディアに、外国語や楽器、プログラミング、専門分野の知識といった自分の「スキルリスト」をアップしている。そして、マンツーマンやグループといったスタイルで、撮影や料理のスキル、業界の情報など知りたいことをシェアし合っている。「スキルシェア」は通常、「具体的なテーマ」を設定して進められる。そして、年齢や肩書を問われることはない。一番重視するのは、互いに学び合えるものがあるかどうかだ。

李さんは、思った以上に大きな収穫があったと感じている。相手はすぐにショート動画コンテンツの作成について語り始め、どのようにキャリアアップし、スキルを伸ばすかへと話を膨らませていた。李さんはじっくりと耳を傾け、何か聞きたいことがあると、すぐに質問した。そして、わずか40分の間に、プロの考えを直接聞き、別れ際には、オンラインクリエイターのグループに加わるよう誘われていた。

帰り道で、李さんは、モヤモヤした気持ちが完全に晴れて、頭の中では今や、今後どうするかという考えでいっぱいになっていることに気付いた。そして、「以前流行していた言葉の通り、『世界は勇敢な人のもの』だ」とした。

フリーランサーの宋凱瑞さんは、典型的な「コミュ強」。ソーシャルメディアのアカウントを通して、北京で17回、実際にカフェで相手に会って「Coffee Chat」を行った。そして、海外で生活するためのコツや、裏方としての仕事のノウハウ、写真の構図、初歩的な心理学など、学びたいものの、なかなか学ぶ機会がなかった分野の知識を入手することができたという。

宋さんは、「これを学びたい、習いたいと思うことが誰でもよくあると思う。学びたい、習いたいものは数えきれないほどあるが、実際に学び、体験するというのはまた別物」とし、「業界関係者と会話すると、スキルのコツやリアルなケースを素早く理解することができる」と、「Coffee Chat」の感想を語る。

1杯の「コーヒー」をきっかけに、勇気を出して誰かと会う約束をし、誠意ある充実した交流を通して、仲の良い関係を築くことができるというのが「Coffee Chat」だ。

博士課程で学ぶ潘夢涵さんは、以前の生活について、「勉強、勉強、勉強だった」と振り返り、友達に「Coffee Chat」について聞いて、自分のアカウントに、試しに「書き込み」をするようになったという。

「データ分析や論文作成ができます。エクササイズの基礎やトレッキング、登山に挑戦したいと思っています」と書き込むと、思いがけないことに、2日のうちに十数件のメッセージを受け取った。そして、ある大学のアウトドアサークルのメンバーと「スキルシェア」をすることにした。そして、「Coffee Chat」をした後、「奇数の週はロッククライミング」、「偶数の週は科学研究」をテーマにして、「スキルシェア」を続けることにしたという。

そんな潘さんは、「シェアし合っているのは、スキルというよりもライフスタイル」と話す。こうした独特な交流の新たなスタイルを活用する彼女のような多くの若者が、ワンパターンな生活から抜け出して、新たな人とのつながりを築いている。宋さんは、「シェアを行う二人は、互いに魅力を感じており、自分がまだ知らない仕事や生活に強い興味を持ってなければならない。こうした交流は、多くの人にとって、別の生活の可能性を見出すほか、自分を見つめなおす機会にもなっている」とした。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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