首都北京を含む中国北部では砂嵐の被害が絶えない。中国の科学者や政府関係者は隣国モンゴルの砂漠が発生源だと考えるようになり、対策に協力している。
NWによると、2026年8月には国連の「砂漠化対処条約第17回締約国会議」がモンゴルの首都ウランバートルで開催される。国連によれば、モンゴルは砂漠化の最も深刻な影響を受けている国の一つで、国土の約77%が既に砂漠化しているという。
砂じんは降雨量の少ない地域の乾燥した表土が季節風にさらされることで発生する。23年春には例年を上回る規模の砂じんが中国を襲い、空がオレンジ色に染まったが、こうした砂じんの増加は気候変動や砂漠化と関係があると指摘されている。
中国は近年、国内の砂漠化を防ぐためにさまざまな対策を取っている。その代表例が1978年に始動した「緑の長城」プロジェクトだ。大量の木を植えることで砂の移動を押しとどめ、砂漠や砂丘の拡大を抑え込むことを目的としている。
中国はモンゴルとの協力も進め、23年にはウランバートルに中国モンゴル砂漠化対策協力センターが設立された。これに伴って中国の習近平国家主席はモンゴルが30年までに10億本の植樹を目指す計画への支援を約束した。
こうした協力は中国にとって、砂漠化対策に関する自国のノウハウを国外にアピールする好機でもある。
NWは「さらに広い視点で見た場合の砂漠化対策として中国は牧畜民の生活も規制している」と報道。「中国当局は過剰な数の家畜を抱え込むことが不適切な土地管理につながっているとみて、牧畜民を草地から移住させる『生態移民』政策を取ってきた。草地にとどまる人々についても放牧を禁止したり、飼育する家畜の数を厳しく制限したりしている」と続けた。
一方のモンゴルは遊牧の伝統を誇りとしている。中国のように放牧地にフェンスを設置したり家畜の削減計画を実施したりすれば、モンゴルでは大きな反発を招くだろう。現在のところ中国とモンゴルの協力は点在する小規模な「実証区」や科学的な交流、モンゴルの植樹計画への支援にとどまっている。
26年は国連が定めた「放牧地と牧畜家の国際年」。NWは「今や生物多様性の保全や草地の砂漠化防止において、牧畜民が果たし得る積極的な役割が国際的に評価されつつある。中国の環境外交は、この新たな認識にどう向き合うのだろうか」と問い掛けた。(編集/日向)











