2026年1月9日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、米国がベネズエラの石油資源確保に動いている背景と、中国など関係国に与える影響について報じた。
記事は冒頭、トランプ米大統領が6日にベネズエラ臨時政府のロドリゲス暫定大統領と合意し、3000万~5000万バレルの「制裁対象石油」を米国へ移管すると発表したことを紹介。
その上で、世界最大の産油国である米国がベネズエラ産原油を必要とする理由について3つのポイントから解説。まず最大の理由として「技術的なミスマッチ」を挙げ、米国で現在軽質原油の生産が増加する中、「重質原油」処理を主体とする既存施設を改造するには数十億ドルの費用と数十年の時間がかかるため、世界最大級の重質油埋蔵量を持つベネズエラからの供給が合理的な戦略目標になるとした。
次に指摘したのは、地政学的な「兵糧攻め」の側面だ。記事は米ABCの報道を引用し、トランプ政権がベネズエラに対して石油取引での協力を米国のみに限定し、中国、ロシア、イラン、キューバとの関係を断つよう要求したことを紹介。ベネズエラ産石油に依存するキューバにとっては致命的な経済打撃になるとし、中国政府も「典型的な覇権行為」と激しく反発していることを伝えた。また、米国が現地の石油輸出に関連する国籍不明のタンカー「影の船団」の取り締まりを強化していること、米エネルギー大手シェブロンがすでにベネズエラ原油を米国へ輸送するためタンカー11隻を手配したことなど、米国側が実際の行動に出始めていることを併せて紹介している。
記事はさらに、この合意が米国の隣国、特にカナダに対する圧力材料になるとも分析。カナダは日量約400万バレルの原油を米国へ輸出しており、その多くはベネズエラ産と同様の重質油であると紹介した上で、ベネズエラ産原油が市場に戻ればカナダの交渉力が低下し、米国との通商問題でさらに不利な立場に置かれる可能性があるとの見方を示した。また、メキシコもカナダと同じ局面に立たされる可能性があると伝えた。
記事は一方で、トランプ大統領の楽観的な見方に対して疑問も提起。業界の関係者からは、ベネズエラのインフラ老朽化や現在の原油安を背景に、急速な増産は困難であるとの冷ややかな見方も出ていることを紹介した。











