2026年1月12日、中国メディアの環球時報は、日本最大の造船企業である今治造船がジャパンマリンユナイテッド(JMU)に対する出資比率を60%に引き上げて子会社化し、中韓両国への追撃体制を整えたと報じた。

記事は、日本の造船最大手の今治造船と2位のJMUが統合することで、建造能力が日本国内シェアの過半数を占め、世界第4位の規模を持つ体制が構築されると紹介。

業界関係者からは「過去数十年で最大のM&A」との声が出ていると伝えた。

また、日本政府も経済安全保障推進法に基づく「特定重要物資」に船舶を指定し、官民合わせて1兆円規模の投資と、35年までに建造能力を現在の900万総トンから1800万総トンへ倍増させる「造船業復興」路線を敷いていると解説。政府主導の支援策として、米国との間で覚書を締結し、米軍艦艇の維持・修理(MRO)業務を日本国内の造船所に取り込む動きがあることにも触れ、官民一体となった日本の造船業生存戦略が進んでいると指摘した。

その背景として記事は、かつて世界シェア50%超を誇った「造船王国」日本のシェアが、現在では中国(約55%)、韓国(約28%)より少ない約13%と苦戦している現状に言及。上海政法学院の孫盛囡(スン・ションナン)准教授らの分析を引用し、日本が「高齢化と円安で外国人材にとっての魅力が低下したことによる労働力不足」「国内製鉄所の価格支配力やエネルギーコスト高により、鋼材価格が中国より20~30%高い」「スマートヤード化を進める韓国大手に比べて、デジタル変革(DX)が遅れている」という「三重苦」に苛まれているとした。

その一方で、日本の造船業が持つ強みについても触れ、バラ積み船の設計能力や、アンモニア燃料船といったグリーン技術(GX)の先行優位性に言及した。その上で今治造船の檜垣幸人社長が「自国の海運会社の代替需要すら満たせていない」と危機感を示し、国内の物流サプライチェーンを守る体制を固めた上で、アンモニアや水素といった化学プラントの知見を取り入れ、従来の造船業の枠を超えた技術革新が必要だと訴えたことを紹介している。

記事は、今回の大型統合が調達や設計の効率化をもたらすとしつつ、孫准教授が「統合後の500万総トン級の規模でも中韓との差は依然として大きい」と指摘したことを紹介。今回の再編は、国内競争による消耗を解消して「世界3位の座を死守」するための防衛的な生存戦略であり、中韓を全面的に追い抜くことは短期的には困難であると総括した。(編集・翻訳/川尻)

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