2026年1月12日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、中国自動車市場における「価格戦争」がディーラー網に壊滅的な打撃を与えていると仏経済紙レ・ゼコーの報道を紹介した。

記事によると同紙は、25年1~6月期に中国市場で黒字を確保できたディーラーはわずか29.9%にとどまり、52.6%が赤字だったと紹介。

世界最大の自動車市場としてかつてはディーラーの「約束の地」だった中国自動車市場において、今や外資系ブランドに限らない業界全体が破綻の瀬戸際に立たされていると伝えた。

そして、中国乗用車協会(CPCA)の崔東樹(ツイ・ドンシュウ)事務局長が25年10月にWeChat上で「現在、新車を販売することは巨額の損失を被ることに等しい」とし、キャッシュフローが急速に枯渇しているディーラーがまさに「生存競争」の渦中にあると指摘したことに言及。さらに、香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストの報道を引用し、中国自動車流通協会(CADA)の報告として、過去2年間で中国のディーラーの10%が閉鎖に追い込まれたと伝えた。

記事はまた、米コンサル会社A.T.カーニーのベノワ・シュルンベルジェ氏が中国市場ではコロナ禍以降、特に外資系ブランドの状況が悪化しており、市場シェアは24年に40%を割り込むなど、過去5年で20ポイント低下したと指摘したことを紹介。ドイツ銀行の報告によると、販売量を維持するための大幅な値引きが常態化しており、25年10月時点でメルセデス・ベンツは平均27%、アウディは33.7%、キャデラックは35.3%の値引きを記録したと報じた。

その上で、ポルシェが26年末までに中国の販売拠点を現在の138店舗から約100店舗に削減する計画で、BMWもディーラーへの財政支援を余儀なくされていると伝えた。

さらに、外資ブランドだけでなく国産ブランドも渦中にあり、過剰生産能力を解消するための在庫処分が値下げ競争を招いているとする専門家の見方を紹介するとともに、中国のディーラーは新車販売への収益依存度が極めて高く、欧州のようにアフターサービスや中古車市場が十分に発達していないため、構造的に脆弱だと論じた。

記事は、BYDが25年5月に最大34%の値下げというセンセーショナルな戦略を発動し、競合他社を一掃しようと試みたことにも言及。他社もこれに応戦したため、値下げ競争の激化とともにBYD自身も販売目標の下方修正を迫られる事態となったことを紹介した。そして、激しい価格戦によるディーラーの消耗を見かねた中国政府が同年9月に価格競争の停止を求めて介入したものの、その効果は見られていないと伝えた。(編集・翻訳/川尻)

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