2026年1月17日、観察者網は、高市早苗首相の言動に伴う日中関係の悪化により、日本の医療界で中国からの医薬品供給が途絶えることへの懸念が高まっているとする香港メディアの報道を報じた。
記事は、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストの報道を引用する形で、中国政府が軍民両用製品の対日輸出規制強化を決定したことを受けて日本国内の一部で動揺が広がっており、特に日本の医療関係者の間では、抗生物質や医薬品原料を輸出規制リストに加えられるのではないかという懸念が生じていると紹介した。
そして、過去3年間で日本は常用薬の国内生産増加に取り組んできたものの、いまだに中国からの輸入に高度に依存していると指摘。日本感染症学会の舘田一博理事長が同紙に対し「中国がレアアースの輸出を制限していることは承知しているが、その政策が医薬品にまで拡大しないことを願う」と語り、もし拡大すれば日本にとって深刻な事態になるとの懸念を示したことに言及した。
さらに、舘田氏の回想として、かつて日本の製薬企業が利益率の低さから抗菌薬などの国内生産を減らして中国が最大の供給国となり、中国での環境規制強化により主要工場が閉鎖された際、日本各地で在庫不足が発生し、手術の延期や代替薬の使用を余儀なくされた事例を挙げ、供給網の脆弱(ぜいじゃく)さを強調したことを伝えている。
記事は、日本政府が医薬品原料供給体制のリスクをすでに認識し、国内生産回帰を促すため24年に550億円を投じて支援を行ったものの、同年の中国からの重要医薬品原料の輸入額は依然として1億2248万ドル(約193億円)に達しているというデータを提示。中国商務部が規制措置について「日本の再軍事化と核保有の企てを阻止するため。民生用途には影響せず、通常の貿易を行う関係者は心配する必要はない」と強調しているものの、日本のネット上では「医薬品原料の中国依存はレアアース以上に危険だ」との声や、サプライチェーン再構築を求める意見が出ているとした。
その上で、明治製菓ファルマや塩野義製薬などの日本の主要製薬企業が、βラクタム系抗生物質など対中依存度の高い品目の在庫を積み増す動きを見せていることを紹介。この状況について、中国が世界の医薬品サプライチェーンで圧倒的なシェアを握っている現状は、地政学的リスクだけでなくパンデミック等の際にも供給途絶の要因になり得るという米ブルームバーグの報道を引用した。(編集・翻訳/川尻)











