2026年1月18日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、中国が南シナ海の西沙(パラセル)諸島にある羚羊礁(アンテロープ礁)で、埋め立てとインフラ建設を加速させていると報じた。

記事は、台湾・中央通信社が米誌ニューズウィークの報道を引用して報じた内容を紹介。

欧州宇宙機関(ESA)の地球観測衛星「センチネル2」が捉えた最新画像を解析した結果、昨年10月15日以降、羚羊礁で新たなしゅんせつ作業が開始されたことが確認されたと伝えた。

そして、羚羊礁周辺は資源が豊富な海域として知られ、現在は中国が実効支配する中で台湾やベトナムも領有権を主張しており、政治的に極めて敏感な係争地であると解説。画像では既存の監視所や港湾の両側面で埋め立て地が拡張されており、中国が同島礁の前哨施設としての機能を大幅に拡大しようとしている明確な兆候だと伝えた。

また、アナリストの見解として、今回の建設ラッシュが単なる施設の維持補修ではなく、重機や車両の輸送・上陸能力を確保するための動きであるとも指摘。特に注目すべき点として、車両を自走で積み下ろしできる「RO-RO船(ロールオン・ロールオフ船)」用のバース建設が進められている可能性を挙げ、これが完成すれば、大型機械設備や軍用車両の迅速な転送が可能となり、同礁が「恒久的な前哨基地」へと変貌する恐れがあるとした。

さらに、米戦略国際問題研究所(CSIS)傘下の「アジア海事透明性イニシアチブ(AMTI)」による最新の分析を引用し、中国が昨年以降南シナ海全域で軍事機能を強化している現状を紹介。南沙(スプラトリー)諸島の高度に軍事化された三つの人工島では、新型アンテナアレイや機動電子戦システムに類似した装置の配備が確認されているとし、南シナ海における情報・監視・偵察(ISR)能力を大幅に拡大しようとする意図が透けて見えると伝えた。

記事は最後に、中国が13年以降前例のない規模で南シナ海の地形改変を推進してきた経緯に言及。西沙諸島に約20カ所の前哨施設、南沙諸島に七つの巨大人工島を建設し、その一部に軍事装備を配備してきたと伝え、地域の安全保障上の緊張を絶えず高めるだけでなく、サンゴ礁など現地の海洋生態系に対して不可逆的な破壊をもたらしていると結んだ。(編集・翻訳/川尻)

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