2026年1月19日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、独経済紙ハンデルスブラットの論評を引用し、トランプ米大統領の政策が結果として中国の台頭を助長していると報じた。

記事は、グリーンランド問題をめぐるトランプ氏の振る舞いが、米国をかつての「慈悲深き超大国」から「強大なるならず者国家」へと変質させていると痛烈に批判した。

そして、トランプ氏が領土面積や天然資源、軍事力といった19世紀的な「過去のパラダイム」に固執し、同盟国を威嚇している間に、中国は「未来の征服」に焦点を合わせており、ロボット工学やバッテリー生産、バイオテクノロジー、量子通信といった分野で主導権を握り、人工知能(AI)や半導体分野でも対米格差を急速に縮めていると指摘した。

また、同紙はトランプ氏の行動が皮肉にも「中国を再び偉大に(Make China Great Again)」させていると表現し、これまでトランプ氏が自ら西側の結束を破壊することで、同盟関係の欠如という中国最大の弱点が解消しつつあると分析。グローバルサウスでの対中牽制の要であった米国際開発庁(USAID)の廃止や、NATO内部の信頼関係を損なう一連の動きを挙げ、西側陣営が崩壊した先に待っているのは中国の漁夫の利であると警鐘を鳴らした。

さらに記事は、「米国の時代」が幕を下ろしつつあるとし、かつて堅固な親米派であったドイツのメルツ首相でさえ「欧州の自律」を目標に掲げざるを得ない現状にも言及。欧州にとって「米国が敵対者となる」シナリオは想定外であり、最も深刻な衝撃を受けていると指摘した。

そして、デンマークの要請でドイツ連邦軍兵士15人がフランスやスウェーデン、ノルウェーの兵士とともにグリーンランドに上陸したことに言及。その際にトランプ氏が関税による報復を示唆したとし、「中ロによる征服阻止」を口実として国境線の変更を真にもくろんでいるのはトランプ氏自身だと断じた。(編集・翻訳/川尻)

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