2026年1月19日、香港メディア・香港01は、米中の人工知能(AI)開発モデルの分断が決定的となり、将来的に互換性のない二つのシステムが並立するという著名投資家の陶冬(タオ・ドン)氏による予言について報じた。
記事によると、淡水泉投資(香港)総裁を務める陶氏は、米中双方はAI開発に注力しているものの、進む道は全く異なると指摘。
そして、中国政府が25年末に始動させた国家級のベンチャー投資誘導基金に言及し、その真の狙いは少数の「スター企業」を作ることではなく、実用的なテクノロジーけん引企業の育成にあると分析。政府は資金支援の条件として技術のオープンソース化を求める傾向があり、企業単体が輝かしい偉業を成すことよりも、企業群が技術を市場や個人に広く開放して経済全体を底上げする「AI+(プラス)」戦略を推進していると論じた。
陶氏はさらに、コストと構造の面からも両国の決定的な違いを分析しており、米国が資本市場主導のボトムアップ型で直接的な収益化が容易、高額な対価といった特徴を伴う「クローズドソース」モデルであるのに対し、中国は国家主導のトップダウン型で「オープンソース」モデルだと解説。参入障壁が下がればますます多くの開発者が集まり、応用シーンが多様化し、結果的にさらにビジネスチャンスが生まれるという好循環になると伝えた。
また、中国では国家資金の介入によりプロジェクトが公的な性格を帯びるため、AIの利用コストが水道や電気、ガスのように極限まで低下する可能性があると指摘し、「一方は課金し、もう一方は無償に近い。市場がどちらを選ぶかは興味深い」とした。
記事は、中国製AIモデルのダウンロード数がすでに米国を上回っている現状を紹介し、市場が「無償」を選ぶ傾向にあることを示唆した。
陶氏はこのほか、安全保障上の理由から米中間のAIシステム融合は絶望的だとも指摘。記事は、陶氏が「個人や国家のデータを他国のクラウドで処理することは許容されない。特にAI技術は武装ドローンやミサイルの意思決定システムの高度化にも転用されるため、自国のシステムを他国と融合させることはあり得ない」と語ったことを紹介した。(編集・翻訳/川尻)











