中国メディアの財経雑誌はこのほど、香港人女性が(香港から見れば北にある)中国大陸部の男性と結婚する「港女北嫁」と呼ばれる現象が目立って増えていると紹介する記事を発表した。1991年には、中国大陸部の人と香港人の結婚(以下、越境結婚)のうち、「港女北嫁」は6.1%だったが、2024年には40%に上昇したという。

香港特別行政区(香港特区政府)統計処によると、1991年には香港の越境結婚のうち、男性が香港人の割合は2万1220件で、同年のすべての越境結婚の93.9%を占めた。逆に、香港人女性と大陸人男性の結婚総数はわずか1390件だった。

97年には、大陸部の男性と結婚した香港人女性は700人足らずにまで減少した。しかしその後、香港人女性と大陸部男性の越境結婚は増加を続け、2024年には2万6790件の越境結婚のうち、40.0%の1万712件が、香港人女性と大陸人男性の結婚だった。

注目すべきは、06年から19年まで、香港女性と大陸部男性の越境結婚の数が年間5000件から7000件の間で推移したことだ。20年には新型コロナウイルス感染症の影響で激減したが、23年には回復し、24年には初めて1万件を突破した。

24年の香港では、カップルの片方が大陸人である越境結婚総数は2万7000件に迫り、同年の現地のすべての結婚の中で占める割合は約60%に達した。そして、香港人女性と大陸部男性の越境結婚が増加する現象は、依然として増加傾向にある。

香港女性の「北上結婚」、かつての6.1%から40%に上昇―中国メディア

香港特区政府保安局のある局長代理は24年5月の時点で、過去10年間の越境結婚は香港の結婚登録の約3分の1を占めていると説明した。同局長代理は「香港が国の発展の大局に積極的に溶け込み、両地の通関がより利便化しています。結婚の総数が低落していく状況下で、越境結婚の割合(の上昇)は持続するでしょう」との見方を示した。

香港の人口構造は1980年代ごろまでは男性が多く女性が少ない状況が続いており、一時は女性が1000人に対して男性は1097人という状況だった。

しかし2000年以降は女性の方が多い状況が出現し、その差は広がっていった。17年の香港の25歳以上の未婚人口は120万人で、うち30歳から34歳までの女性未婚人口は同じ年齢帯の男性より約8800人多かった。また、女性の初婚年齢の中央値も年を追うごとに上昇した。

香港特区政府統計処が25年8月に発表した報告書の「香港の女性及び男性-主要統計数字(25年版)」によれば、24年末時点の香港住民の人口は計約750万人で、うち女性は前年比0.2%減の409万6100人で、男性は同0.6%減の340万4500人だった。

香港の「女多男少」現象およびその影響は、今後も持続するとみられている。09年時点の香港の人口構成は女性1000人に対して男性が889人だったが、推計によれば、39年までに女性1000人に対する男性の数は744人にまで減る。

文化と生活の面では、香港立法会の多くの議員が、中国大陸部と香港の文化の差異は比較的小さく、夫婦二人がよりスムーズに付き合える可能性があると発言した。一方で、中国大陸部から香港に来て仕事をする人の増加と、「港女北嫁」はあまり関係していないと考えられる。なぜなら、香港に来た人材の中で香港人と結婚する割合は極めて小さいからだ。

「人民日報」海外版がかつて報じたある調査結果によると、香港人女性の中で教師、民間企業の経営者、服飾デザイナー、建築家、弁護士などの職業に従事する高学歴、高職位、高収入の者は、本土の文化や観念をより受け入れやすく、大陸部男性との結婚を心配してはいない。香港では1978年から、9年間の義務教育の無料化が進められ、そのことで女性が高等教育を受ける機会が増えた。また、金融業の発展でホワイトカラーが多く必要になったことや、香港を統治していた英国が社会の変化に伴い行政組織を大幅に拡大したことなどでも、社会で一定以上の地位を得る女性が増加した。

香港人男性と大陸側の女性が結婚することが主流だった時期には、「新郎の方が新婦よりはるかに年上」という現象が目立った。古くは香港で未婚証明書を取得する際には、相手の資料を提出する必要がなかったので不明だが、データの残る06年の統計によれば、同年の香港人男性と大陸側女性の結婚については、男性側が5歳以上年上である割合が69.0%で、年齢差の中央値が9歳だった。

香港女性の「北上結婚」、かつての6.1%から40%に上昇―中国メディア
深セン

しかし、24年までに、香港人男性と大陸側女性の結婚でも、新郎が新婦よりも5歳以上年上であるケースは53.8%に低下し、年齢差の中央値も5歳にまで低下した。香港女性と大陸側男性の結婚では、06年以降には新郎新婦の年齢差の中央値が1歳以下になった。さらに新婦が新郎より年上であるケースは24年時点で49.1%に達した。一方で、香港人男性と大陸側女性の結婚では、新婦の方が年上であるケースは15.2%にとどまった。

1991年における香港人の初婚年齢の中央値は、男性が29.1歳、女性は26.2歳だったが、24年には男性が32.6歳、女性が31歳に上昇した。香港大学社会工作および社会行政学科の葉兆輝講座教授がかつて行った調査によると、香港人女性は30歳を過ぎると結婚の確率は大幅に減少し、女性の結婚年齢の中央値も絶えず延びることが示された。葉講座教授は、「未婚女性が増加する傾向を非常にはっきりと見ることができます。将来は、女性が独身を維持する割合は20%になるでしょう」と予測した。

女性が独身を維持、あるいは「本土へ嫁ぐ」人数がいずれも増加する強い傾向が発生している香港では、香港の性別比率の不均衡現象がどのように変化し、香港社会の人口の推移と家庭構造にどのような影響をもたらすかについて、関心が次第に高まっている。(翻訳・編集/如月隼人)

編集部おすすめ