日本の百貨店業界の売上高が昨年、5年ぶりにマイナス成長となった、と中国メディアが百貨店協会のデータを引用して伝えた。その要因としては高市早苗首相の「台湾有事発言」を受けた訪日中国人客の減少を挙げた。

2月の春節(旧正月)を控え、中国外交部は訪日自粛を通知。百貨店業界には逆風となりそうだ。

日本百貨店協会が1月23日発表した2025年の全国売上高概況によると、全体の売上高は総額5兆6754億円で、既存店ベースで前年比1.5%減と5年ぶりにマイナスに転じた。訪日客の購買額を示す免税売上高が12.7%減の5667億円と大きく落ち込んだことが響いた。

25年の訪日外国人が初めて4000万人を突破する中、百貨店の訪日購買客数も621万人超と過去最高を記録。しかし、単価が安い消耗品に需要の中心が移ったことで、客単価が伸び悩んだ。化粧品や貴金属などは堅調だったものの、高級ブランドの衣料品や身の回り品が不振だった。

同時に発表した25年12月の売上高は総額が6542億円で、既存店ベースで前年同月比1.1%減と5カ月ぶりのマイナス。免税売り上げは17.1%減の519億円、購買客数も16.7%減の50万人だった。中国からの訪日客数と売り上げはいずれも約4割減で、11月の高市早苗首相の「台湾有事発言」を問題視した中国政府による渡航自粛が影響したとみられる。

昨年12月の訪日外国人旅行者数は361万7700人と、12月の過去最高を記録。日本の観光業は表面上「人流のピーク」を迎えていた。

クリスマスと正月期間中に米国、カナダ、東南アジアからの観光客が大幅に増加した。しかし、日本メディアの分析では、この増加分では中国人客の減少による損失を埋められなかったとされている。日本百貨店協会の西阪義晴専務理事は「中国はシェアが非常に高い国でかつ客単価が非常に高い。大きなインパクトだ」と話した。

中国では間なく春節を迎える。今年は2月15日から23日が9連休となり、海外旅行熱が高まっている。

これを前に外交部は26日、春節期間中の日本への渡航を控えるよう国民に求める通知を出した。習近平政権は高市発言に強く反発し、対抗措置として昨年11月に同様の通知を出した。12月にも通知を出しており、今回が3回目となる。

中国網は「日本百貨店協会の責任者は『中国人客の動向は短期的に厳しい状況が続く』と述べ、2月の春節期間の販売実績について懸念を示した」と紹介。「業界関係者の間では中国人客減少の影響は短期的に解消されず、収益見通しは楽観できないとの認識が広がっている」と言及した。(編集/日向)

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