中国では最近になり、福建省の農村に1棟だけそびえる地上13階、地下2階のビルが「丸ごと自宅」であることが、インターネットで注目された。中国メディアの極光新聞が伝えた。

このビルが注目されたきっかけは、現地を旅行した人が撮影して動画を投稿したことだった。投稿者は「この一家は自分たちのためにマンションを建てた、中にはエレベーターまである」と、驚きを示した。

動画を見ると、現地は山沿いの農村で、周囲の建物は比較的低いが、その中に1棟だけ高いビルがそびえている。ビルの壁面には「大金楼」の文字が掲げられている。建物は都市部のマンションと同様で、内部にはエレベーターも備えられているという。

投稿された動画には、「これほど高い家を建てるということは、家の中にこれほど多くの人が住んでいるということであり、子孫が繁栄している証拠だ」とうらやむ気持ちを示すコメントや、「これほど高い家がどうやって審査を通過したのか」と疑問を示すコメントが寄せられた。

この「民家」は福建省泉州市安溪県虎邱鎮竹園村にある。極光新聞が取材したところ、村住民の一人は、大金楼は現地で最も高い建築物であり、村に住んでいる周という姓の一族が自ら建て、現在は20世帯余りが住んでいると説明したという。

建物住人の一人である70歳になる周さんは、「この家は完成してもうすぐ10年になり、私ども一族全員が住んでいます」「私ども一族の各世帯が古い家を取り壊して、皆が新築の家を建てる必要があったため、鎮政府に数百平方メートルの敷地を申請して共同でビルを建てたのです。」と説明した。

この周さんによると、ビルは地上と地下を合わせて15階あり、うち地下2階は車庫で、1階は店舗として利用できる。2階から12階は各階に2世帯、計22世帯分の部屋がある。各階の部屋の面積と間取りは同じで、1世帯あたりの面積は約200平方メートルだ。

この周さんの部屋は5階にあり、住居としてとても快適という。周さんはさらに「上層階は空気がとても新鮮です。近所づきあいもとても良好です」と説明した。入居している一族は計100人以上で、全部で4世代に渡る。ただし、多くの人が村を出て仕事や生活をしているため、普段住んでいるのは20から30人程度だ。そして、春節(旧正月、2026年は2月17日)の際に皆が帰ってくると非常に賑やかになる。

現地の住居を所管するのは県政府だが、この「自宅」が建築された当時は鎮政府が所管していた。建物所在地の虎邱鎮政府の職員は、「当時は多くの世帯が一つの敷地に入ることになったので、少し高い建物になりました。現在では、これほど高いビルを建てることは認められません」と説明した。

県政府が2023年4日17日付に施行した「安溪県農村宅地および村人住宅建設審査管理規定の規範化に関する規定」では「農村の単独世帯の村人の一戸建て式、並列式または長屋式の自己建造住宅は3階を超えてはならず、屋上の階段室を含めて建物の高さは15.5メートルを超えてはならない」などと定められている。(翻訳・編集/如月隼人)

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