血液脳関門(BBB)は、天然の脳の防御バリアとして、有害物質や細菌の侵入を防ぎ、中枢神経系を守る一方で、多くの脳疾患治療薬が脳内に達するのを阻む「大きな壁」となってきました。この関門を安全に開き、その後確実に閉じることで効果的な治療を実現することは、長年にわたり医学界が取り組んできた重要な課題でした。

復旦大学と華山病院神経外科の共同研究チームは1月29日、独自開発した超音波診療一体型装置「UltraBrainPad」を用い、膠芽腫(グリオブラストーマ)患者の血液脳関門を一時的に開くことに成功したと発表しました。この技術は「超音波ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)」と呼ばれており、関門を開くことで脳内の薬物濃度を大幅に高めた後、再び安全に閉じることが可能だといいます。

研究チームは事前の試験管内実験と動物実験を通じて、血液脳関門を開くための最適な超音波パラメータを特定しました。臨床での応用では、わずか3分間の超音波照射で関門を迅速に開くことができ、脳内薬物濃度は未処理領域と比較して平均8倍に上昇しました。さらに、関門は治療後6時間以内に自然に閉じ、安全性と治療効果の両立を実現しました。

この成果により、今後、悪性脳腫瘍患者はより高い脳内薬物濃度を得られるだけでなく、投薬料を減らすことによる副作用の軽減や治療費の削減も期待できるということです。(提供/CRI)

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