2026年2月4日、香港メディアの香港01は、欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会が、中国の風力タービン製造大手「金風科技(ゴールドウィンド)」に対し、中国政府からの不当な補助金によって欧州市場をゆがめている疑いがあるとして詳細な調査を開始したと報じた。

記事は、欧州委員会が3日に「外国補助金規則(FSR)」に基づき、同社への調査に踏み切ったと紹介。

当局は24年4月の段階ですでに職権による予備調査を始動させており、金風科技を含む欧州の風力発電産業で活動する複数の企業に対して、詳細な情報提供を求めていたと伝えた。

そして、予備調査の過程で、金風科技が中国政府から助成金や税制優遇、さらには極めて有利な条件での融資といった形で補助金を受領している兆候が確認されたと指摘。同社がEU域内において競争力を人為的に引き上げ、風力タービンや関連サービスの供給競争において公正な市場環境を損なっているとの予備的な懸念を欧州委員会が示したとしている。

また、調査対象となった金風科技について、中国に本社を置き、研究開発から製造、販売、サービスまでを一貫して手掛けており、ドイツ拠点のベンシス(Vensys)などの子会社を通じて欧州市場に深く浸透し、その存在感が増していると解説した。

記事は、欧州委員会が調査の結論を予断しないとしつつも、競争上の懸念が事実と認定された場合には、同社によって提示される是正措置の承認、あるいは当局による強制的な是正命令を検討する構えであることを伝えている。

さらに、こうした動きの背景にある構造的な変化についても言及し、EUが23年7月に導入したFSRは、今や中国企業の「国家主導型」ビジネスモデルを制限するための強力な武器として頻繁に運用されており、その対象は鉄道車両や太陽光発電、セキュリティ機器といった戦略的分野にまで急速に広がっていると分析した。

その上で、風力発電分野への介入と並行して、電気自動車(EV)最大手のBYD(比亜迪)がハンガリーに構える生産拠点についても、予備調査が進行中であるとの報道を紹介。EUが域内の基幹産業を保護するため、さまざまな分野における中国企業への監視体制を強めている現状を伝えた。(編集・翻訳/川尻)

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