2026年2月3日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、欧州連合(EU)が再生可能エネルギーへの移行に必要な重要原材料の確保において、依然として深刻なボトルネックに直面していると報じた。
記事はまず、欧州監査院(ECA)の評価報告書に触れ、エネルギー転換に不可欠とされる26種類の重要原材料のうち、10種類で100%輸入に依存していると紹介。
そして、この状況がEUの「戦略的自律」に対する重大な挑戦であり、域内生産の強化とエネルギー利用効率の向上が急務であることを示していると評した。
続いて、ハイテク製品や防衛産業の心臓部となるレアアース(希土類)に関しても、厳しい現実を指摘。プラセオジム、ネオジム、サマリウムといった主要な元素において、中国がEUの総需要の69~77%を供給しているとした。
記事はまた、輸入先の多角化戦略が事実上の停滞に陥っていることにも言及。EUは過去5年間で14件の「戦略的原材料パートナーシップ」を締結したものの、20~24年における締結相手国からの関連輸入量は逆に減少したことを指摘した。
さらに、新たに提携した国のうち半数は政治的な信頼性が低いとされる政府であり、米国との交渉は24年に中断、資源国が多い南米南部共同市場(メルコスール)との協定は加盟国の承認待ちで足踏みが続いているといった現状を紹介した。
このほか、域内での自給を支えるべきリサイクル産業も苦境に立たされていることを、国際エネルギー機関(IEA)の情報から紹介。欧州のリサイクル企業では垂直統合や規模の経済、低廉な労働コストといった優位性を持つ中国に太刀打ちできず、重要原材料26品目のうち10品目はリサイクル実績がゼロ、7品目の再利用率もわずか1~5%にとどまっているとした。
記事はその上で、報告書を担当したケイト・ペントゥス=ロシマンヌス氏が「重要原材料がなければエネルギー転換は実現できず、EUは競争力を失う。依然として少数の域外国に依存している現状は極めて危険だ」と警鐘を鳴らしたことを紹介。EUが掲げる50年までのカーボンニュートラル実現や、30年までの再生可能エネルギー比率42.5%という目標達成が「砂上の楼閣」となりかねない懸念を伝えた。
一方で、欧州委員会がこの報告書の内容を歓迎し、提案された勧告を今後の政策に反映させる意向を示したことに触れ、今後の展望として、法的拘束力のあるリサイクル目標の設定や、より現実的な供給網の再構築への動きが出る可能性を示唆した。(編集・翻訳/川尻)











