2026年2月5日、香港メディアの香港01は、リトアニアのインガ・ルギニエネ首相が、2021年に首都ビリニュスに「台湾代表処」を設置したことについて、「巨大な過ちだった」との認識を示したことを報じた。

記事によると、25年9月に就任したルギニエネ首相が今月3日のインタビューにおいて、当時の政権による決断を「線路に飛び込み、列車に衝突して敗北したようなものだ」と表現した。

これは他の欧州諸国が「台北代表処」の名称を用いて「正常な調整」によって中国との経済協力を維持している現状と比較したもので、ルギニエネ首相はリトアニアについて「率先して行動すれば世界が感謝すると誤解していた」との認識を示したという。

また、ルギニエネ首相はいわゆる「台湾代表処」の設立後、国際社会から実質的な支援を得られなかったと述べた上で、22年に中国の「差別的貿易」をめぐり世界貿易機関(WTO)へ提訴した欧州連合(EU)が、25年には提訴を取り下げて訴訟が事実上立ち消えになったことを紹介した。

記事は、対中経済関係の悪化によるリトアニアの深刻な実害についても言及。25年の対中輸出額は21年と比較して50%以上落ち込み、特に木材や粉ミルク、チーズなどの産業が甚大な損失を被ったほか、中国主導による国際貨物列車「中欧班列」のルート変更により、同国の鉄道会社も打撃を受けたと報じた。

さらに、台湾側が21年にリトアニアに対して約束した経済協力の内容についても触れ、25億ユーロ(約4600億円)規模の投資や5つの半導体工場建設計画が深刻な停滞に陥っていると指摘。実際に設立されたのは1000万ユーロ(約18億5000万円)の技術基金のみに留まっているとした。

このほか、中国もリトアニアに対し冷淡な態度を続けており、外交部がリトアニアに対して引き続き対抗措置を講じる権利を留保する姿勢を示したことを伝えている。

記事は、ルギニエネ首相が、「欧州は統一された立場で中国と関わるべきであり、リトアニアはEUの枠組みから離れて単独で行動すべきではない」と強調したことを紹介。そして、同国政府が対中関係を他のEU諸国と同等の水準まで回復させるための「小さな一歩」を模索していると評した。(編集・翻訳/川尻)

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