中国メディアの環球網は9日、韓国ソウルにある景福宮正門の光化門について、韓国社会で長年続いてきた扁額(へんがく)の文字をめぐる議論が再び熱を帯びていると報じた。韓国政府は現在、漢字で書かれた既存の扁額を残したまま、新たにハングルの扁額を追加する案を検討中だ。

これが学界や社会の広範な議論を巻き起こしている。

記事が韓国・聯合ニュースの報道として伝えたところによると、文化体育観光部の崔輝永(チェ・フィヨン)長官は先日、李在明(イ・ジェミョン)大統領に対し、光化門にハングル表記の扁額を追加設置する案を報告した。こうすることで、ハングルの国家文化の象徴としての意義を際立たせるという。

同案について崔長官は、「専門家による論証や国民からの意見募集などの手続きを経て推進する」と表明。併せて「世界が認める文字体系を持つ国でありながら、漢字の扁額だけを掲げるのは適切ではない」との考えを示した。

一方、朝鮮日報は、「20世紀以降、光化門の扁額の文字をめぐる問題は何度も政治的・文化的な議論の焦点となってきた」と強調している。1968年の光化門再建後、当時の朴正熙(パク・チョンヒ)大統領が揮毫(きごう)したハングルの扁額が掲げられたが、歴史資料に基づき2010年に漢字の扁額に変更された。その後も復元方法やひび割れ、字体の考証などを理由に交換は何度も行われ、政権や社会意識が変化する中で「漢字かハングルか」は今日まで続く論争となっている。

一部の学者からは「文化財に新たな要素を加えれば本来の姿が損なわれる可能性がある」と懸念する声が上がり、他にも「社会の合意が形成されていない段階で漢字とハングルの『並行設置案』を進めるのは行政の都合を考えた発想だ」との批判があるという。

また、ヘラルド経済は観光客の声を紹介。「漢字の扁額では韓国に来たのかどうか分かりづらい」という意見がある一方、「景福宮が建造された当時は漢字が使われていた。文化遺産は元の様子を保つべきだ」「扁額には手を加えず、歴史背景を紹介するハングルの看板を設置すればいい」との声が聞かれたことを伝えた。

(翻訳・編集/野谷)

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