2026年2月7日、中国メディアの新浪網は、劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来が中国で好評だったものの、現実の一言で「デバフ(弱体化効果)」がかかった状態になったとする記事を掲載した。

記事は、「日本のネットユーザーの間で劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来が中国市場で驚異的な評価を得ていたとの話題が盛り上がった。

ある日本のネットユーザーが中国のプラットフォームで流通しているデータをまとめ、同作が約29万7000人の評価によって9.6点というほぼ満点に近いスコアを記録し、わずか数週間で興行収入は約150億円に達したと紹介したのだ」とした。

そして、「これを見た日本のネットユーザーからは『令和のジブリや』『鬼滅覇権やな』との声が上がった。その後『実は魚介類の禁輸を解いたり、(中国は)だいぶ日本に歩み寄ってたんよな…』といったコメントが寄せられた。同作が中国で順調に公開できたのは、決して当然のことではなく、当時は日中関係が微妙ながらも改善傾向にあったからである」と説明した。

その上で「経済・貿易面での緩和が見られ、他方では日本のアニメ映画も次々と公開日が決まり、中国の映画館へ再進出する兆しが見え始めていた。業界関係者や観客の間では、たとえ『友好』とまでは言えなくとも、少なくともサブカルチャーの分野では交流が徐々に正常化していくチャンスが訪れているのではないかという期待が広がっていたのである」と言及した。

一方で、「そうした空気の中で日本の高市早苗首相が物議を醸す発言を行い、わずかに回復し始めていた雰囲気は一気に冷え込んだ。二次元ファンの視点から見れば、この一連の出来事はあまりにも的確に打撃を与えるものであった。影響を受けたのは政治家本人ではなく、一般の観客やアニメ作品、さらには文化交流そのものだったからである」と述べた。

記事は、「『鬼滅の刃』は中国市場でようやく確かな評価を積み上げ、日本アニメも再び映画館に戻れる可能性が見え始めていた。しかし、現実世界のたった一言によって、そのすべてに『デバフ(ゲームにおいて相手に不利な状態を発生させ、能力を低下させること)』がかかった形となった。これが現実の持つ断絶感である」と論じた。

また、「『鬼滅の刃』のような少年や絆、犠牲、成長を描く純粋な娯楽作品はあるものの、現実世界の政治的駆け引きや立場の問題によって一瞬で作品の運命が左右されてしまう。一般の二次元ファンにとって、アニメはあくまでアニメだ。しかし現実世界でアニメは単なる娯楽ではない。文化商品であり、市場商品であり、交流の媒体でもある。ひとたび現実の環境が厳しくなれば、真っ先に影響を受けるのは、こうした『本来は無関係なコンテンツ』なのだ」と強調した。

そして、「だからこそ、日本のネットユーザーたちは今回の出来事に強い衝撃を受けている。『鬼滅の刃』が中国市場で示した成果は、本来なら貴重な成功例となり、さらに新たな記録を生む可能性すらあったことを理解していたからだ。それが現実によって断ち切られたのだ。一般の観客にできることは多くない。まだ見られるうちに、語れるうちに、好きでいられるうちに、こうした作品を大切に記憶にとどめておくことくらいである」とまとめた。(翻訳・編集/岩田)

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