2026年2月12日、中国メディア「第一財経」は、中国に進出する日本企業からなる中国日本商会の最新調査に基づき、日系企業の約6割が今年の対中投資を維持または拡大する意向を示したことを報じた。一方で、日本政府の経済安全保障政策が不確実性をもたらしているとも伝えた。

記事は、中国日本商会が10日に発表した「会員企業景気・ビジネス環境認識アンケート調査」の結果を紹介。昨年7~12月の景況感は前回調査から3ポイント改善し、売上増、利益増の企業がそれぞれ35%に達したと伝えた。

また、回答企業の59%が今年の対中投資を「増加」または「維持」すると回答したことにも触れ、投資増加の目的は「競争力の確保・維持」および「新製品・新サービスの開発と付加価値向上」に集中していると解説した。

その上で、中国市場の重要性を裏付ける実態を解説。日中間の貨物貿易額は3000億ドル(約47兆円)規模を維持しており、トヨタ、三菱電機など主要日系企業が投資を相次いで拡大しているとしたほか、日立エレベーター(中国)の賈宇輝(ジャ・ユーホイ)総裁が「中国は事業の基盤であり、最大の工場も最大の研究開発チームも中国にある」と述べたことも紹介している。

記事はさらに、AI・デジタル分野への投資加速にも言及。中国日本商会の「2025年白書」によると、製造業会員企業の60%超が同年にAIエネルギー効率管理システムを導入済みであるとし、三菱電機(上海)がAI活用で年間1万2000トンの炭素排出量を削減し、ファナックが生産ライン調整期間を50%短縮した実例を挙げた。

一方で、記事は日本の「経済安全保障政策」による影も指摘しており、高市早苗内閣が米国に倣い対中技術輸出規制を強化していることが、日中間の技術協力に不確実性をもたらしていると評した。

記事は、上海対外経済貿易大学日本経済研究センターの陳子雷(チェン・ズーレイ)主任が「経済安保政策の継続推進が一部企業をより慎重な姿勢に向かわせるだろう」と述べ、「日中両国は生産・サプライチェーンにおいて顕著な補完性を持っており、中国市場から完全に離脱することは大きな代償を伴う。日本の複数のシンクタンクも高市政権にデータで警告しており、こうした動きはこれまでほとんど見られなかった」との指摘したことを伝えている。(編集・翻訳/川尻)

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