シンガポール華字メディアの聯合早報は15日、「コストパフォーマンス(コスパ)が高い」ことを理由に外国人女性と結婚する中国人男性が増えていると報じた。
記事は、陝西省西安市出身の王興(ワン・シン)さん(30)のケースを紹介した。
自身を「恋愛脳」だと語る王さんは、過去に失恋によりうつ状態に陥り、自傷行為に及んだこともあった。数年前の春節(旧正月)に実家へ帰省した際、祖母が自分の結婚のために苦労して金を貯めていることを知り、いたたまれない気持ちになった。中国では結婚の際に、男性側が家や車を用意したり、高額な結納金を支払わなければならない。
王さんの実家は昔から貧乏で料理に使う油も満足に買うことができなかった。王さんは「(結婚に必要な)家と車のために3世代かけて苦労する。そんな結婚で幸せになれるのか」と疑問を抱き、「中国人女性とは結婚しない」と決心したという。
日本人女性は「対象外」
王さんはそれからアプリで語学を学び、インターネット上でメナさんと知り合い結婚した。結婚にかかった費用はエジプトへの渡航費などを含めても10万元(約220万円)ほどだった。中国人女性と結婚する場合、家や車にかかる費用を除いたとしても30万元(約660万円)は必要だという。王さんはエジプトでイスラム教に改宗。両親に異論はなく「結婚して子どもができればそれでいい」と話したそうだ。
幼い頃から東洋の文化に興味を持っていて、中国に憧れを抱いていたというメナさんは、人柄が良く、物欲もあまりないという。王さんは、「彼女が自分から何かを欲しがることはない。服やおやつがないのを見れば、僕から買ってあげる。宿舎の家賃は月500元(約1万1000円)で、僕たちはとても幸せ」と話した。
王さんが結婚相手を探す上でポイントにしたのが、「中国より発展していない国の女性で、相手が自分よりも優れていないこと」だった。王さんは「父は僕が日本人女性をめとることを許さなかったし、自分にもそうするだけの条件がなかった。あちら(日本)は先進国だから」と語った。
インドネシア人女性と結婚した男性
福建省出身の盧(ルー)さんは、昨年、インドネシア人女性のナナさんと結婚した。福建省の農村の実家で暮らしているという2人は、TikTokを介して知り合った。ナナさんは「中国はとてもきれいで、中国人は親切だと感じた」と話した。中国の自然の景観を紹介する動画をナナさんに送って見せていたという盧さんは「彼女に、中国をもっと知ってほしい、中国は美しい国で深い文化もあると伝えた。彼女は僕の甘い言葉にだまされたんだ」と冗談交じりに話した。
盧さんがナナさんとの結婚で支払った結納金は2000万インドネシアルピア(約18万円)ほどで、中国と比べると天と地ほどの差があった。
王さんと同様、盧さんもナナさんの素朴なところに魅力を感じているといい、「彼女の靴が破れているのを見て、ショッピングモールに連れて行って2足120元(約2600円)の靴を買ってあげた。それから屋台で焼きそばを食べて、それだけで満足していた。一緒にいると本当に楽しそうで、計算がないように感じられる」と話した。
中国人男性と外国人女性の結婚が増加
記事によると、中国では近年、中国人男性と外国人女性の結婚が増えており、2018年に初めて中国人女性と外国人男性の結婚数を上回り、前者は56.4%、後者は43.6%となった。24年には中国人男性と外国人女性の結婚が70%に達した。ただ、国際結婚の数自体がまだ少なく、同年の婚姻総数に占める割合は2%程度だという。
中国当局は国際結婚における外国人妻の出身国について明確な統計を行っていないとのことだが、非公式の統計によると、外国人妻の出身国上位はベトナム、北朝鮮、ロシア、ミャンマー、フィリピン、日本、カンボジア、韓国、インドネシア、タイとなっている。
背景には二つの要因があると考えられており、一つは中国の「独身男性危機」だ。中国では長年続いた一人っ子政策の影響もあり男児を優先してきた。
上海の復旦大学国際問題研究院の薛松(シュエ・ソン)副研究員は、「中国文化は近年、ショート動画、TikTok、小紅書(RED)など各種アプリを通じて広まり、その影響力は非常に大きい」と述べた。インドネシアの事情に詳しい薛氏によると、中国の芸能人の歌やダンス、時代劇ドラマなどがSNSを通じてインドネシアで広まり、ブームを巻き起こしている。また、インドネシア人は同国内の華人と中国人をあまり厳密に区別しないことも多く、中国人との結婚に抵抗がないのだという。
男女共に「コスパ」を求める時代
中国人男性と外国人女性の結婚が増えているのは、中国人女性の「拝金主義」が原因なのか。中国の女性作家・蘇芩(スー・チン)氏は中国の生活水準が大幅に向上したことが関係しているとの見方を示した。蘇氏によると、女性は結婚が自分にとってプラスになることを望み、独身よりも悪い状況になることは望まない。これが、間接的に男性側に大きなプレッシャーを与えている。また、高額な結納金が必要などという「悪習」は主に中国の地方都市に残っており、大都市ではこうした問題はあまりないという。
蘇氏は「中国の女性が拝金主義というよりも、今では男女共に考え方が現実的になっており、結婚や恋愛に高いコスパを求めている」と指摘。
また、中国人男性が国際結婚市場で一定の優位性を持つのは意外ではないとし、「経済的な条件が中国よりも低い国の女性にとってはより魅力的に映る。1980~90年代に中国人が米国や日本に嫁ぎたがった現象と同じ構図だ」と言及した。(翻訳・編集/北田)











